トップ > NEWS > 映画製作は株式会社化せよ。世界的ヒット映画は何が違うのか?

映画製作は株式会社化せよ。世界的ヒット映画は何が違うのか?

2018年12月17日 案件情報

ガラパゴス化した日本映画業界を変える、一人の男の挑戦が始まった。投資型クラウドファンディングFUNDINNO(ファンディーノ)を通しグローバルに戦える映画製作の株式会社化の意図とは?

FUNDINNO募集ページはこちら

無名映画監督が、低予算ながらSNSを中心に作品が話題になり、たった2館の上映館数から、全国100館以上の映画館で上映されるに至る――。

そんな奇跡のストーリーとして今年話題となったのが上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』だ。

”ネタバレ絶対禁止”というSNSの投稿がむしろ人々の関心を惹きつけ、300万円という低予算ながら2018年大ヒットしたこちらのゾンビ映画。

まさに日本映画に希望を与えた作品と言えるだろう。

だが、この”日本映画の希望”に対して警鐘を鳴らす人物がいる。

映画『真夜中の子供』プロデユーサーの黒江圭太氏だ。


黒江圭太(くろえ・けいた)

『真夜中の子供』エグゼクティブ・プロデューサー。福岡出身。日活芸術学院(現閉校)を経て、2000年オーストラリアへ留学し、ブライダル写真、撮影、映像撮影スキルを習得。2013年3月、株式会社 uk 設立。2018年、日本国内12支店、海外2支店展開(現在)。今年、経済成長が著しいインドネシアにおいて、映像・映画エンタメ業界にビジネス参入を開始する。

「現在の日本映画市場において、『カメラを止めるな!』のようなプロセスで大ヒットに至る作品はほぼ存在しないと言ってよいです。 公開時の映画館は2館のみ、300万円の予算で作られた映画が、国民的ヒットになる確率は実感としては1%程度もないと思います。 これは日本の映画業界があまりにもガラパゴス化しているからではないでしょうか」

黒江氏が語る外国映画と日本映画の根本的差異、そして今回彼が手がける世界市場を狙った映画製作の全貌をお届けする。

世界では異例の日本映画業界

黒江氏が違和感を覚えるのが、 製作委員会方式 と呼ばれる日本独自の製作形態だ。


「最大の特徴は、限られた人や企業しか映画製作に携われないという点です。これは世界的に見ると極めて異例なことです。フランスやアメリカは製作の段階で映画に携わる人がもっと多いのです」

加えて、日本の場合、作品の製作からプロモーション、配給までをすべて同系列の映画会社が請け負うことが一般的。

これにより、安定して作品を国内市場に供給できるというメリットがある一方、世界市場に乗り出すには、それがネックになっている部分もあるという。

「全国各地に映画館を持つ大手配給会社ならば、観客動員数がある程度見込めるというメリットもあります。しかし、日本映画はあまりにもスムーズにその導線が引かれすぎているため、日本国内でしか評判にならないコンテンツになりがちという問題もあると私は考えています」

『万引き家族』 はなぜ世界で評価されたのか

黒江氏は、これをアジアの音楽市場を例に説明してくれた。

「例えば、K-popは韓国国内市場の限界をいち早く自覚し、2000年代初頭からアジア進出を前提にしたコンテンツ作りにいち早くシフトして成功しました。日本映画も、本来はこれと同じことをしなければなりません」

また、ストーリーが抱える問題も大きいという。


「日本の場合、『泣けた』『感動した』の一言だけで感想がシェアされる映画が多いですよね。 試写会を見終わった観客が『感動しました!』と興奮気味にカメラの前で感想を話すCMを見たことがある方は多いと思います。 こうしたシンプルな感想は、複雑な情報や感情を織り交ぜたフランス映画などとは真逆の作られ方と言えます」

海外の映画祭で受賞する作品は、一度見ただけではストーリーがよくわからないものが多いのだという。

「北野武監督の作品を考えてみてください。彼の作品はヴェネチア国際映画祭で高く評価されていますが、それは北野映画で描かれるヤクザという人情世界にイタリア人が強く興味を持つからと言われています。 単なるドンパチの喧嘩、抗争ではなく、ヤクザ独自の文化、仁義などのわかりにくい複雑な概念を描く作品は世界で評価されやすいのではないかと思います」

わかりやすく感情移入できるだけでは、世界は狙えない。これが黒江氏の考えだ。

「是枝裕和監督の『万引き家族』もそう。 万引きして生計を立てている家族の作品と聞いてどう思いますか? シンプルに考えれば”なし”でしょう。 しかし、そもそも万引きしなければ生活できないほど困窮している家族がいて、彼らがどこかに幸せを見出しているとすれば、果たしてその生活をすべて否定できるのかとの考え方も生まれます。 また、この作品には途上国の貧困問題に通底する問題が埋め込まれています。重層的な解釈が存在し、どこまでも答えが出ず、問いが生まれ続ける。こうした『万引き家族』のような作品が世界で評価されると私は考えます」

なぜ株式投資型クラウドファンディングで映画をつくるのか


ここまで紹介した種々の問題を克服して黒江氏が今回取り組んだのが、『真夜中の子供』という作品だ。


辻仁成氏の最新刊『真夜中の子供』(河出書房新社)

福岡・中洲を舞台に無戸籍児が周囲の大人たちに支えられて成長するこのストーリーは、「戸籍がなく公教育を受けられない子供」という世界が共通して抱える問題を描き出す。強い共感に加え、問題提起を促す作品だという。

また、同作の最大の特徴は、その製作過程にある。

製作委員会方式を採らず、 株式投資型のクラウドファンディング「FUNDINNO」 で製作の資金調達を行おうというのだ。

FUNDINNO募集ページはこちら

「こうしたCtoB型の映画製作スキームは、アメリカハリウッドなど海外では通例となっています。今回、日本国内でも同様のスキームが一般化されるべくチャレンジすることにしました」
 2016年にヒットした片淵須直監督の『この世界の片隅に』に代表されるように、 近年クラウドファンディングで資金調達をして映画製作をするケースは増えている。


 そうした潮流の中、黒江氏は購入型だけでなく、株式投資型のクラウドファンディングにも挑戦する。その理由は?


「購入型はファン色が強い人、株式投資型は会社の成長に期待する人、が多く集まってくれるのではないかと考えています。後者は映画をつくる会社の株主としての出資なので多くの投資家の参加も見込まれるのではないか、そして会社の成長を本当に期待してくれるのではないかと期待しています」

 それこそが世界市場を目指す上で重要だというのだ。

「ファン(観客)向けに映画を作るだけでなく、ビジネスとして世界的に見られることを考えてくれる”株主”が入ることで、作品によい意味での厳しい視点が入るはず。 単に日本人を”シンプルに感動”させるだけではなく、世界がヒットするためにはどういう戦略でいくべきか、どんな市場で戦うべきか。株主の方と私は作品作りの深いレベルまで一緒に考えていくチームのイメージです」

FUNDINNO募集ページはこちら

インドネシア映画市場のすごいポテンシャル


『真夜中の子供』は、日本とインドネシアで同時公開されることが決定されている。


『真夜中の子供』映画製作発表会の様子

今、映画を公開する上でなぜインドネシアを選ぶのか。
「現在、私はインドネシアでブライダル業界の映像作品を製作する事業を行っています。 そこで実感するのは、日本の映像技術が高く評価されているということ。 インドネシアで評判を得られるであろうノウハウを私が持っていることが大きいですが、本作のインドネシアでのヒットをきっかけに世界市場を狙っているのは言うまでもありません」
 

黒江氏は、同作が世界でヒットするために今回2つの戦略を用意している。

1. キャスティングで世界からの評判を得る


「『真夜中の子供』の監督は原作者である辻仁成さんにお願いしました。ご本人のフランス在住歴が長いこともあり、辻さんは海外の映画作品に関する造詣が深いです。その辻さんが、あえて脚本家として選出したのが 岡田惠和(よしかず) さんです。彼は『ひよっこ』『ちゅらさん』などのドラマ作品の脚本を手がけた方で、辻さんが絶大な信頼を寄せています」
 岡田氏の最大の特徴は、人間味のある描写を書くのが上手いことだという。

「岡田さんは映像で”人情味”を設計できる数少ない方です。今回の作品の主役は無戸籍孤児です。その子供を中州に住む大人たちが愛情を持って育てていくストーリーになっています。当然、岡田さんは人間的な模様を描く上でぴったりの人選と言えます」

2. 成長可能性が大きい市場を狙う

これに加え、同作品とインドネシアの文化的背景の相性がよいことも大きい。

「現在、インドネシアは人口2億6000万人を超える大国家で、Facebookユーザーもインドに次いでアジア2位と一大IT大国になりつつあります。 平均年齢およそ29歳と、若者の数も多い。映画を好んで見る年齢層が多いのでヒットすればSNSで一気に火がつくのではと期待しています。 一方で、国民の価値観は日本でいう昭和に近い。つまり、『真夜中の子供』のような人と人のつながりを描いた作品が琴線に触れやすいのです」

 同作ではインドネシアのトップ俳優、レザ・ラハディアンを起用。話題性は十分だ。


インドネシアの人気俳優・レザ・ラファディアン氏

「キャスティングだけでも大きな話題になると思います。インドネシア市場でのヒットを嚆矢に、国際映画祭にノミネートされる作品をつくるために万全の体制を整えています」
 日本国内に最適化された作品を作らず、あえて世界を狙いにいく。
 

”株式投資型の映画製作”という前代未聞の黒江氏の挑戦は、いま始まったばかりだ。

FUNDINNO募集ページはこちら


―――――――――――――――――
株式会社日本クラウドキャピタル
http://www.cloud-capital.co.jp/
第一種少額電子募集取扱業者
関東財務局長(金商)第2957号
加入協会:日本証券業協会