東急が目指す「住民参加型によるエンゲージメントの高い街づくり」とFUNDINNO

2021年12月20日

2020年11月25日、株式会社日本クラウドキャピタル(以下、JCC)と東急株式会社(以下、東急)の資本業務提携が発表されました。「東急ならではの社会価値提供による世界が憧れる街づくり」を目指す東急がなぜ、JCCと資本業務提携をするに至ったのか、本件を推進されたフューチャー・デザイン・ラボイノベーション推進担当 課長補佐の福井崇博氏(以下、福井 敬称略)にお話を伺いました。


■東急が目指す街づくりとFUNDINNO

東急さんのCVC第1号案件がJCCである理由を教えていただけますか?

福井:「「東急ならではの社会価値提供による世界が憧れる街づくり」の実現を目指すため、「住民参加型によるエンゲージメントの高い街づくり」をしていこうと考え、「ソーシャルファイナンス」を投資テーマの1つにしました。それに取り組む上で、株式投資型クラウドファンディングは欠かせないサービスであり、東急のビジョンや事業との親和性の高さからJCCさんを1号案件にしたいという結論に至りました。沿線の人たちが、資金・資産運用手段の1つとして「自分の街をより便利に豊かにするサービスを展開するスタートアップや地域の中小企業に出資することで、街づくりに参加できます。その「街づくりへ参加」することが「エンゲージメントの高い街づくり」につながると考えています。また、私としては実は前職時代からJCCさんのことは知っており、こちらから意志をもってお声がけさせていただき、ディスカッションを重ねて今回の資本業務提携に至っています。」


■多数株主問題も反社株主問題も適切に対策がなされていると感じた

コーポレートベンチャーキャピタルとしてJCCに投資する上で、懸念点となることはありましたか?

福井「株式型クラウドファンディングについてよく言われる通り、いわゆる多数株主問題、反社株主問題は当然議題にあがりました。多数株主問題については、上場に向けて株主数が増えてしまうという点が発行会社側の懸念事項としてあがりがちではありますが、新株予約権型など、商品設計等で適切に対策されていると判断しました。また、株主が増えた場合のコミュニケーションコストについても、FUNDINNO上の機能やIRツールであるFUNDOORによって効率的且つ円滑にコミュニケーションができるように設計されており、個人投資家が多数いることによる負担は大きくないのではと考えました。発行会社やベンチャーキャピタル、投資家の懸念に対して、1つ1つ着実に対策をされていると感じます。また、株主の中に反社会的勢力が混じってしまう、いわゆる反社株主問題についても、適切に反社チェックの業務フローを構築されていると感じます。会員登録時と投資時、さらには全会員に対して3ヶ月に1回、審査をされています。一般的なエンジェルやVCが投資家として入る場合と比べて特にリスクが高くなることはないと判断しました。逆に言うと、一般的なエンジェル投資家を受け入れる場合の方が、個人の繋がりや知り合い伝いから直接出資を受けることが多いので、むしろリスクが高いともいえるのではないかという議論もありました。」


■地域を巻き込んで「世界が憧れる街づくり」ができることを期待

今回の資本業務提携は第一歩だと思いますが、どのような将来像を描いていますか?

福井「今後、FUNDINNOで資金調達したベンチャーのプロダクトやサービスの中から相性が良いものは、東急グループの各施設や事業を活用して社会実装していきたいと思っています。また、当社からFUNDINNOを活用した企業に対しての出資も検討していく予定です。FUNDINNOを通じて「住民参加型によるエンゲージメントの高い街づくり」を一緒に取り組めるベンチャーと多数出会えることを期待しています。また、FUNDINNOで募集された株式等を売買するセカンダリーマーケットができることで、ベンチャーだけでなく、中小企業にも資金調達の可能性が広がることも価値が高いと思います。検討するにあたって私も実際にFUNDINNOで出資してみましたが、セカンダリーマーケットができることで流動性が高まるので、個人投資家側のリスクは軽減され、より市場は広がるのではと思います。上場やM&Aでの売却を目指さない中小企業の場合でも、セカンダリーマーケットができることによって地域の中小企業、商店や飲食店が、株式投資型クラウドファンディングを資金調達やファン獲得の手段として使えます。FUNDDINOと協業することによってスタートアップのみならず、地域を巻き込んで「世界が憧れる街づくり」ができることを期待しています。