〈従来比1/3〉超小型陽子線がん治療装置を開発。国立放射線医学総合研究所発ベンチャー「ビードットメディカル」

株式会社ビードットメディカル
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株式会社ビードットメディカル
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企業の特徴・強み
  • 代表は世界的放射線医学研究機関・国立放射線医学総合研究所がん治療装置の開発に長年携わり文部科学大臣賞を受賞。各分野の専門家も弊社に集結
  • 従来の陽子線がん治療装置は高さ約10m・重さ200トンと巨大で導入費も莫大※1。場所の制約から東京都内には治療施設がない※1
  • 従来比で高さ約1/3・治療効率約2倍薬事承認取得の治療システムを開発。投資回収期間も約半分※2となり、都市部への導入も可能に
  • 江戸川病院グループと提携し、東京都内初となる陽子線がん治療センターへの導入が決定。2027年の治療開始を計画
  • 世界各国で商談が進行中。アジア圏への展開を皮切りに米国FDA取得、インドなどの成長市場への参入を通じ、陽子線治療の国際標準化を目指す
※1 弊社調べ ※2 回収期間は仕様や借入条件により異なる。前提条件(治療費・人件費・稼働率等)は弊社・他社で同一と仮定し算出
発行者情報

市場の魅力

  • 日本では陽子線治療の保険適用が拡大する中、米国では日本の約3倍※1の割合で患者が放射線治療を選択。世界的に需要が増し、陽子線治療は現在106施設から2026年に175施設へ増加が予定されている※2 ※1 公益社団法人日本放射線腫瘍学会 ※2 弊社調べ

発行者情報

会社名
株式会社ビードットメディカル
所在地
東京都江戸川区春江町5丁目10-10
企業サイト
https://bdotmed.co.jp
企業概要

チームについて

世界の排泄課題解決に向け業界の精鋭が集結

PROTON for everyone ー陽子線がん治療を世界中にー

理学部出身の古川は、医学物理を通じて人の役に立ちたいという思いから、26歳で国立放射線医学総合研究所(放医研)※に入所。粒子線治療の世界的拠点で技術開発に従事し、2011年には「呼吸同期スキャニング照射」の世界初の臨床運用に成功。文部科学大臣表彰を受けました。

研究者として重粒子線治療を日本各地に導入する中で、画期的ながん治療方法であるはずが、ごく一部の方しか受けられない状況になっていることに気付き、粒子線治療の広がりを支えるべく、2017年に弊社を創業しました。

一般病院にも導入できる小型陽子線装置の開発を決意。何度も設計をやり直し、決め手が見つかることなく1年以上が経過する中で、「いっそのこと従来の回転ガントリー構造をやめて、色々な方向からビームが照射できさえすれば良い」と構造を根本から見直す決断にいたります。

このようにして誕生したのが、陽子線照射装置「Phemto®︎」です。私たちはこの超小型・高性能・高効率の陽子線がん治療システムを通じて、すべての希望する患者が当たり前に陽子線治療を受けられる社会の実現を目指しています。

解決する課題について

トイレの解除負担を減らす排泄予測デバイス「bdot」

高い線量集中性と低侵襲を両立する、国も注目の先進的治療「陽子線治療」

陽子線治療とは、がんに対する三大治療法の一つである「放射線療法」の中でも、特に高精度で注目される先進医療です。

X線に比べて、陽子線はがん細胞にピンポイントでエネルギーを集中させることができます。そのため、周囲の健康な組織へのダメージを抑えつつ、がんに対して高い線量集中性を発揮します。

この「低侵襲(身体への負担が少ない)」という特性により、日常生活を維持しながら通院で治療できる点も、陽子線治療の大きな魅力です。

陽子線治療の普及推進に向け、下記の様な動きも活発になっています。

政府も普及を後押し

2021年6月に閣議決定された『経済財政運営と改革の基本方針2021』では、陽子線治療を含む粒子線治療について、「装置の小型化・低コスト化の進展を踏まえ、地域や病院の特性に配慮しながら、診療の質や患者のアクセス向上を図る具体策を検討する」と明記され、日本が国を挙げて普及に取り組んでいる姿勢が示されています。

医療保険の適用範囲も年々拡大

陽子線治療は、2016年に公的医療保険の対象となったことで治療件数が増え、2023年には国内の累積治療実績が5万件を超えました※。世界各国での臨床実績も積み重なり、その有用性が国際的にも高く評価されています。

2024年度の診療報酬改定では、新たに「早期肺がん」が保険適用となるなど、治療対象の拡大も続いています。

※ 2024年弊社調べ
普及を阻むサイズとコストの課題で”限られた人”の治療に ※ 他社製品を基に弊社調べ

普及を阻む2つの課題で“限られた人”の治療に

陽子線治療の普及には、装置の大きさによる設置場所の制約に加え、高額な導入コストという2つの課題があります。その影響で、国内にはわずか20施設しかなく、人口の多い東京には1台も設置されていません※。このため、陽子線治療を受けられるのは限られた一部の患者にとどまっているのが実情です。

※ 弊社調べ

課題1:陽子線治療装置の大きさ

従来の陽子線治療装置は、高さ約10m・重さ約200トンと非常に大型で、設置にはテニスコートほどの広さが必要です。多方向から腫瘍に照射するための「回転ガントリー」という機構は巨大で、その構造上、既存の病院建屋への導入は難しく、専用の治療施設を新たに建設する必要があります。

課題2:莫大な導入コスト

陽子線治療装置は、X線治療装置に比べてはるかに高額で、導入には新たな建屋建設を含め多額の費用がかかります。従来の装置本体費用はX線治療の2倍以上(X線:10〜20億円、陽子線:50億円〜)にのぼります※。

※ 弊社調べ

事業について

都市でも稼働を可能にする 超小型・陽子線がん治療装置 ※比較表: 他社製品を基に弊社調べ

高さ従来比約1/3、治療効率約2倍。都市型の陽子線がん治療装置「Phemto®」

弊社は、独自技術「Magnetic Gantry™」により、従来の約1/3でX線治療装置並みの高さを実現した陽子線治療システム「Phemto®」を開発し、2023年11月に薬事承認を取得しました。装置の小型化により建築コストを抑え、都市部など従来導入が難しかった施設への展開を可能にします。

また、自走式治療台「Throup®」を自社開発し、1装置あたり年間約600人の治療が可能な高い治療効率が見込めます。これは従来の陽子線装置の約2倍にあたります※。「Throup®」を使った新たなワークフローにより、陽子線治療導入の障壁の一つである採算性の問題を解決することが期待されます。「Throup®」も、2024年2月に薬事許認可を取得しています。

そして私たちは、装置開発にとどまらず、治療に精通した技術者集団として、導入から運用・更新まで一貫して支援。外部パートナーとの連携を通じて、医療機関の安心と成果を支える体制も提供しています。

※ 弊社調べ

▲クリックすると装置の詳細が動画で確認できます

競争優位性

顧客ニーズを的確に捉える 破壊的イノベーション ※ 納品時に初期費用(建屋建設費用と装置導入費用)を一括で支払った場合の累積収支を表示。実際の投資回収期間は、建屋や機器の仕様や借入等の個々のケースにより異なる。 ※ 建屋を新設し、加速器1台と治療室2室を設置する想定。 ※ 患者一人当たりの治療費、人件費、運転‧保守費用、装置の稼働率、借り入れ条件は弊社‧他社想定とも同じであると仮定

破壊的イノベーションで投資回収期間を従来比約1/2に短縮

弊社の陽子線治療システムは小型化により建屋・装置の初期費用を大幅に削減できます。

また、独自技術により患者さま1人あたりの治療室使用時間を短縮します。高効率化によるインパクトは大きく、従来の20分から15分に短縮すると、初期投資回収期間は他社の13年に対し7年と短くなり、導入後の収益性も高くなります※。

※ 弊社調べ

この優位性を支えるのが、以下3つの独自技術です。

  • Magnetic Gantry™:2つの電磁石でビームを多方向に制御する構造で、大型回転ガントリーを不要にし、建屋体積を低減。面積を約半分に
  • B-Smart treatment flow®︎:治療前準備を治療室外で完結させ、照射に集中するワークフローを構築。1台で最大2倍の治療効率を実現
  • B-Flash scanning system®︎:高速のスキャニング照射技術により、複雑かつ呼吸で動く腫瘍にも正確に対応

これらの技術により、患者さまへの提供価値と病院の経済性を両立します。

※ 納品時に初期費用(建屋建設費用と装置導入費用)を一括で支払った場合の累積収支を表示。実際の投資回収期間は、建屋や機器の仕様や借入等の個々のケースにより異なる。 ※ 建屋を新設し、加速器1台と治療室2室を設置する想定。 ※ 患者一人当たりの治療費、人件費、運転‧保守費用、装置の稼働率、借り入れ条件は弊社‧他社想定とも同じであると仮定

今後の成長ストーリー

超音波技術とビッグデータ統合で生体の全てを予測する ※ 弊社調べ(2023年6月時点)

都内初の陽子線治療センター、2027年稼働へ

2023年4月、弊社は江戸川病院グループと連携し、東京都江戸川区にある江戸川メディケア病院に陽子線がん治療センターを設置することで合意しました。

これは東京都内で初となる陽子線治療センターであり、これまで陽子線治療を受けるには他県まで通院する必要があった患者さまにとって、大きな選択肢の拡充となります。

現在は施設整備などを進めており、2027年からの稼働開始を予定しています。都内での陽子線治療の実現により、地域格差の是正と治療へのアクセス改善が期待されています。

アジア・米国・新興国への展開で、陽子線治療の国際標準化を牽引

日本では、放射線治療を受けるがん患者の割合は全体の20〜25%程度ですが、アメリカでは60%以上にのぼります※。

また、日本を含むアジア諸国では近年がんの罹患率が増加しており、それに伴って放射線治療の需要も高まり、徐々に普及が進んでいます。特に中国や台湾では、陽子線治療施設の新設が活発に進められています。

このように世界中で陽子線治療装置の導入が加速する中、弊社は自社装置の市場投入によって、さらに新たなニーズを引き出すことを目指しています。そのために、次の取り組みを計画しています。

  • アジアへの導入拡大:アジア地域で進行中の導入案件を着実に獲得
  • 中国市場のニーズ獲得:中国での粒子線治療ブームを確実にとらえる
  • 米国FDA承認の取得:アメリカでFDA承認を取得し、世界展開を加速
  • 将来市場への布石:将来の成長市場(インドなど)への参入準備を進める
※ 公益社団法人日本放射線腫瘍学会

※ IPO時期はFUNDINNO取扱時における発行者の計画であり、IPOの実現が確約されたものではありません。未上場株式の価格が変動することによって、価値が消失する等、その価値が大きく失われるおそれがあります。投資に関する決定はお客様ご自身のご判断と責任のもと行なっていただきますようお願いいたします。なお、上記の投資先は特定投資家の方のみを対象としています。