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元ソニー会長兼グループCEO出井伸之氏と日本クラウドキャピタルCEO柴原祐喜の対談が経済界に掲載されました。

2018年10月10日 メディア掲載


2005年にソニー会長兼グループCEOを退任された出井伸之氏は、その翌年にクオンタムリープを設立し、企業の変革とベンチャー企業育成に尽力されています。2018年5月には、企業の新たな資金調達手段『FUNDINNO(ファンディーノ)』を運営する日本クラウドキャピタルが行った第三者割当増資の引受先となりました。なぜ、日本を代表する大手企業の元会長が創業3年目のベンチャー企業に出資することに至ったのか。今年81歳を迎える元ソニー会長と、34歳のベンチャー企業社長という、年齢差47歳の2人が現在の日本企業が抱える資金調達の問題点について議論を交わしました。

以下、経済界11月号に掲載された対談内容となります。


――日本と異なる海外の資金調達方法

出井)日本でベンチャー企業は、非常にドメスティックな傾向があると思います。まずは、日本で成功してから海外に進出するというパターンが多い印象がですが、もっといち早くグローバルで挑戦する企業があってもいいのではないでしょうか。

柴原)IPO(新規株式公開)がゴールになっているのが一つの問題だと思います。日本のマーケットは小さいのかと言えば、そんなことはない。なので、IPOで十分なリターンが得られると考える経営者が多いのでしょう。また、IPO準備で疲弊し、成長スピードが鈍化してしまうのもグローバルに出ていくことの阻害要因かもしれません。

出井)先日、ニューヨークである会社のフィナンシャルアドバイザリー会社5社からプレゼンを受けたところ、5社とも違うやり方で資金調達手段案を提示しました。米国はバラエティーに富んだ資金調達手段があり、感心しました。

柴原)ベンチャー企業にとっては、銀行からの融資だけでは成長するための選択肢が限られてしまいます。最近は、エクイティファイナンスが主流になりつつありますが、それでもまだ選択肢が乏しく感じます。豊富な資金調達手段は投資家とベンチャー企業の双方にとってのメリットが大きい。日本では情報の非対称性がある領域ですが、「ベンチャーファイナンス」の定義を認識し、投資家目線なのか、ベンチャー企業目線なのかということを意識する必要があります。われわれは、そうしたベンチャーファイナンスの情報を公開し、フェアに投資家サイド、資金調達サイドに判断してもらい、どちらも不幸にならないようにしていきたいと考えています。

出井:それは日本でぜひやってほしいね。日本は資金調達や上場のやり方の幅が非常に狭く『普通株でやる以外に方法がない』との思い込みが強い。そういう意味でも、今後いくつか提案をされたら面白いと思います。


――未上場の民主化で狙う市場は1600兆円

出井)日本の銀行は数字を見ます。ところが、シードの会社に数字なんてなんにもないわけだよね。だから、日本の資金調達環境は厳しくならざるを得ない。

柴原)そんな環境を少しでも改善できましたらと思っています。弊社が運営する資金調達プラットフォーム「FUNDINNO(ファンディーノ)」をローンチして、約1年になりますが、利用者は毎月増えており、資金調達を募る発行会社の累計の資金調達額は、今月(20188月現在)にも14億円突破しそうな勢いです。

出井)それは、素晴らしいね。個人投資家からの直接投資がストロングポイントだよね?

柴原)個人の投資家様から見て、未上場株の世界は利害関係者や一部の情報を持っている人だけが投資できる閉ざされた世界でした。今、我々が手掛けているのは、未上場株を民主化して開かれた市場にすることです。日本のリスクマネーは1600兆円といわれています。今後、われわれがその1600兆円に直接アクセスして、ベンチャー企業に流していくことにより、スピーディーに資金調達できる環境を整えたいですね。

出井)そもそも、御社が取り組まれている株式投資型クラウドファンディングというビジネスモデルは、どのように思いついたのですか?

柴原)私の学生時代の研究テーマが「未上場企業の価値算出」というものであり、日米の未上場企業のデータを集めて比較していたところ、何より気になったのが、日本企業の資本金の少なさでした。ベンチャー企業の一つの成功要因として「資金調達」が挙げられますが、それが整備されていないのであれば自分でやろう、と考えたのがきっかけです。

出井)そうだね。僕はソニー出身ですが、入社当時は上場して間もない頃で、とにかくお金がないベンチャー企業でした。その後、売上が100億円なかった時代から1千倍に伸びるわけです。それを経験してきて思うことは、日本は最初の資金がまず集まらないし、銀行自体のアカウントが取れない。3大銀行ですら8万アカウントくらいしか企業のアカウントを持っていないのが現状です。だから、柴原さんが取り組む株式投資型クラウドファンディングのように、『お金をうまく集める』ということも、1つのイノベーションのように思うね。

柴原)ベンチャーの世界では、スタートアップ事業は、まさにフレンド、ファミリー以外で調達するといったときに、創業1年未満だと実績がないので銀行融資もなかなかおりない現状があります。シリコンバレーでは、事業計画書1枚で数億円を調達できる世界がある一方、日本では、300万400万円がスタートアップの資金相場です。そうしたところを変えて資金調達環境を整備していきたいという思いがあります。

出井)先週、ニューヨーク・ロンドン・ポルトガルに行ってきて、ベンチャーの仕組みやインキュベーション、アクセラレータなどを見てきました。すると、アクセラレータの環境が全然違うのです。シリコンバレーほどではないにしろ、ヨーロッパも日本に比べて随分と進んでいると感じました。日本で感じることは、1つは成長資金がないこと、次に上場にこだわり過ぎていること。アメリカなどでは、ベンチャー企業が上場するということは、本当に少ないです。それは、資金調達の方法が多様にあるから上場だけが全てではないという考えがあるのだと思います。

柴原)おっしゃる通りです。上場することで、素晴らしい側面もたくさんありますが、CG(コーポレート・ガバナンス)コードを意識して組織体制を整えることは、ベンチャー企業の成長を鈍化させる場合もあります。ただ、日本においては資金調達手段が限られているため、資金調達手段としてIPOするという企業としての意思決定は、現在時点では理解できます。

出井)新しいことへのチャレンジを1年ストップすること。それはロスだと僕は思うんです。海外のように、いいシナリオやいいチームがあれば資金が出る。そんな環境を整備していくことが、日本のベンチャー企業の育成に繋がると思います。

柴原)そうですね。アメリカでは、IPOしなくても資金調達できる手段が多数あります。スタートアップ企業、つまりJカーブを描く企業がしっかりと地に足をつけて成長していくためにも、資金調達方法の選択肢を増やさなければならないのです。


――データの蓄積によってベンチャー投資を科学する

柴原)われわれは、「投資家様保護」を実現させるために「発行者様支援」を表明しております。

我々にとっての「投資家様保護」の本質は、発行会社の成長に寄与することです。出資先に問題が起こって株の価値が低下してしまうと、投資家様の信用を失いベンチャー企業への出資を控えてしまうことにつながります。そうした問題が発生しないよう、発行会社様が目標金額に到達して成約した後のサービス提供こそが最も重要なミッションだと考えています。具体的には、資金調達を終えた発行会社に対してモニタリングを行いつつ、経営リソースとして必要なものをサポートしています。こうしたアフターフォローサービスの提供で発生した発行会社様のデータを蓄積し、そのデータを活用したビジネスモデルを提供するのが弊社のビジネスの本質です。そして、投資家がベンチャー投資で得た利益を次の企業へ循環していくように、ベンチャー企業で成功を収めた経営者が今度は投資家となり、その資金だけなく経験が未来のベンチャー企業へ流入して循環するような環境を整えていきたいのです。これまであやふやだったベンチャー投資をデータの蓄積によって科学し、信頼のある投資環境を構築したいと考えています。

出井)技術の変化の大波が最初に押し寄せているのは金融業界だと思います。今、ICOなど新しいやり方がたくさん目の前に見えてきています。この3年は大変革期なんじゃないでしょうか。技術の進歩でいろんなことが変わりつつありますがまさに、株式投資型クラウドファンディングは新しい技術と変革の種を感じますね。

柴原)我々もフィンテック業界におりシステム開発が我々の強みですので、テクノロジーの追求は今後も継続して行っていきます。

出井)僕達クオンタムリープは、ベンチャーではなくアドベンチャーでいこうと思っています。日本のベンチャーは固すぎます。御社が新しい技術革新をやってくれたら嬉しいですね。頑張ってください!


株式会社日本クラウドキャピタル
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