習慣化アプリ社長が FUNDINNOを選んだワケ

2020年3月23日 発行者情報

株価の不安定さが日々報道されている中、オンラインでベンチャー企業が資金調達する手段として注目を集めているのが株式投資型クラウドファンディングだ。先日、勉強やダイエット、さらには健康的な生活を習慣化して目標達成するアプリ「みんチャレ」を提供するエーテンラボ株式会社は、日本クラウドキャピタルが提供するFUNDINNOを使い5,728万円の資金調達を達成した。

なぜ同社はFUNDINNOで資金調達を行ったのか。新株予約権という方式で資金調達をした深い理由を、担当者とのコミュニケーション過程も含めて明らかにする。

落合:最初の長坂社長との出会いは2018年9月のスタートアップのアクセラレーターのイベントでした。 ただ、あのエーテンラボの社長さんということで、そのときは話しかけられなくて…片思いで終わりました(笑)

長坂:そうだったんですね。話しかけて欲しかったですが、あの日は名刺交換で列ができてたんですよね(笑)。

ーー当時からエーテンラボは注目のスタートアップということで知られていましたよね。

長坂:ただ、資金調達には課題を抱えていました。習慣化のプラットフォームとしては一定の地位を確立できていましたが、将来的にヘルスケア事業に力を入れていく上で資金が足りなかった。特にアプリのユーザーには糖尿病の方が多かったので、糖尿病を改善できるアプリとして進化していく方向を模索していた時期だったんです。

落合:そんな話を伺ったのが、年が明けた2019年です。長坂社長から直接悩みを伺って、ぜひFUNDINNOで資金調達してほしいと説明をさせていただきました。当社が提供しているFUNDINNOというサービスは、正式名称を株式投資型クラウドファンディングといいます。VCでも、エンジェル投資家でもないサラリーマンなどの個人投資家が約10万円から株式を購入してベンチャー企業を応援できるプラットフォームです。

長坂:FUNDINNOの存在は、知り合いの社長さんが何人か利用してたので知っていました。資金調達の選択肢の一つではあったんですよね。ただ、嬉しいことにVCやエンジェル投資家の方との交渉が進んでいたので、当時はそこまで切羽詰まった状況ではなかったんです。

落合:エーテンラボさんのように、順調かつ注目のスタートアップは資金調達がうまくいくのが普通。そのため、それでもなお資金が必要という時にご協力できるように、自社内の審査会議は通しておこうと思ったんです。

ーーFUNDINNOでは資金調達を検討するベンチャー企業を社内で審査するそうですね。

落合:公認会計士を含むファイナンスのプロが、財務状況から事業計画、反社チェックまでかなり細かいレベルで企業を審査します。この審査を通過しなければ、クラウドファンディングで募集をかけることができません。そして、エーテンラボさんは何度も社内の審査で落とされたんです。

ーーエーテンラボさんは“習慣化ベンチャー”として比較的名が知られています。それでも募集をかけられなかった?

落合:はい。社内で「ヘルスケアとしての実績はあるのか?」という声があがることもありました。でも、それなら一部の保守的なVCと一緒。私は純粋に人として長坂社長に惚れ込んでいたので、徹底的に寄り添っていきたいと考えていたんです。

長坂:ありがとうございます。当時は、かなり細かく「実績を見せてくほしい」「案件を通すために今後の計画をもっと細かくいただきたい」とリクエストをいただいたのをよく覚えています。ただ、正直ここまで細かく聞かれると「ちゃんとうちの会社を見ようとしてくれるのはわかるけど、ある程度はリスク取ってよ!」と思っていましたね(笑)

落合:そんなやりとりが半年。それほどエーテンラボさんの資金調達を応援したかったんです。

長坂:ただ、FUNDINNOを活用しようという機会がタイミングの問題でずっと訪れなかったんですよね。嬉しいことにエンジェル投資家さんからの出資も進みそうだったので。ただ、そこで事件が起きて。

ーー事件、とは?

長坂:2名の個人投資家から調達を予定していたのですが、一人が自分でもう一回起業するので、やはり出資をやめたい、と言われまして。結果、新規事業への資金がやや足りないぞということになったんです。

◆「諸々のリスクがカバーできると思ったんです」

ーーそのタイミングでFUNDINNOに再度相談をされたということですね。

長坂:具体的には2019年12月です。 大手保険会社との協業プロジェクトが立ち上がり、ちょうど落合さんから新株予約権型の説明をしてもらったんです。率直にこれはいいなと思いました。

落合:2019年、FUNDINNOでは未上場の株式を買える方式と、新株予約権という「権利」を買える方式の2パターンを揃えるようになったんです。

ーー新株予約権は、何がメリットだったんですか?

長坂:新株予約権での資金調達なら、ある程度リスクが減ると判断しました。具体的にいうと、株式投資型クラウドファンディングだと、株主が増えるため株主間契約をそれぞれでつくるためのコストが発生しますが、それがない。また、全員の合意形成手続きをとるのも大変です。さらに、次の資金調達ディールが滞るリスクがある。こうした諸々のリスクがカバーできると思ったんですね。

落合:そうおっしゃっていただけました。今、資金調達したいならば、新株予約権方式が最適じゃないですか?と提案したんです。

長坂:ちょうどアクセルを踏みたかったタイミングでしたのでベストでしたね。前述したように、ヘルスケア事業にフォーカスを当てる上で、医学的なエビデンスを証明したかった。糖尿病の患者さんに弊社のアプリを使っていただくために、習慣化アプリの存在が治療に効果があるというエビデンスをとりたかったんです。全国の医師にすすめてもらう上で、科学的効果が出ていると根拠を持って言えるようにしなければならない。どうしても必要な資金だったんです。

ーーエビデンスとは、具体的に言えばアプリの「みんチャレ」を利用することで、食事運動療法の習慣化が図れるという内容ですよね。

長坂:はい。5人一組でアプリ内で毎日励まし合うことで食事運動療法を継続し、血糖値などの数値が減ることが期待できます。それと、FUNDINNOを利用した理由はもう一つあって。

落合:なんですか?

長坂:何人かの個人投資家から「FUNDINNOやらないんですか?」とすすめられていたんです。中には、「FUNDINNOで募集するなら、絶対出すよ」と言ってくださる方もいて。ベンチャー企業にとって、資金調達の手段であるばかりでなく、投資したい人にとってもポピュラーな手段として定着していることを実感しました。

落合:それは嬉しいですね。

長坂:他にも、「みんチャレのおかげで資格試験受かりました!」「ダイエット成功しました!」というユーザーから、「ぜひ御社を応援したいです!」という声もいただいていたのですが、その場所だけなかったんですね。その手段としてもFUNDINNOは最適でしたし、実際にユーザーからも投資していただけました。

ーーなるほど。では、長坂社長がFUNDINNOを利用するのに向いているベンチャー企業とは、どんな企業でしょうか。

長坂:向いているのは、やはりtoCのサービスが真っ先に挙げられると思います。個人投資家がどんなサービスか判断しやすい材料が揃っているほうが、投資するかを決定しやすい。おそらく弊社もそのパターンだと思います。サービスを体験することで、チームの技術力や想い、今後の発展性を想像していただきやすいので、投資家の方に十分な判断材料を提供できたと思うんです。

ーーなるほど。

長坂:あとは、なんといってもFUNDINNOの営業担当者を頼れる点がおすすめしたい理由ですね。審査が厳しい中で、落合さんが寄り添ってくれて色々と相談に乗ってくれ、がんばってくれていたのはとても実感しています。一部のVCの中には、「投資したい」とご連絡をいただいたのにも関わらず、打ち合わせしてから反応を聞いても連絡が来なくなることも少なくないんです。もう、ダメならダメって早く言ってほしいんですよ(笑)。そういう意味で、FUNDINNOは逐一報告して、担当の落合さんの返事が早かったのもよかったですね。

落合:ありがとうございます。当社の姿勢は、起業家様に寄り添うことが基本スタンスです。資金調達がうまく進んで本当に嬉しいです。ただ、エーテンラボさんはこれからさらに成長すると思います。その際は、またいつでもFUNDINNOを頼ってください(笑)。

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