※弊社調べ
※出典:Global Cancer Statistics 2022
※弊社調べ
※上記URLの遷移先はFUNDINNOのものではありません
代表の浜窪は東京大学名誉教授として、主に抗体医薬※1研究に長年従事しており、同領域における著書を出版するなど専門家として広く認知されています。また、2022年に東証マザーズに上場(上場時時価総額100億円超)したペルセウスプロテオミクス<4882>の創設メンバーでもあり、同社の抗体医薬開発を牽引してきました。
また、創薬ベンチャーの壁となるパイプライン導出の蓋然性を高めるべく、各領域の専門家が揃っています。特に、光線力学療法(PDT)※2の考案者である加藤は、肺がん治療の世界的権威であり、日本肺がん研究センター長も務めます。その他、協和キリンや富士フイルムなど大手企業のバイオ分野に従事してきたメンバーも参画しています。
1 生まれながらに備わっている免疫の1つである抗体を利用して病気を予防・治療する
2 光に反応する医薬品(光感受性物質)を体内に投与し、レーザー照射することで生じる化学反応を利用してがん細胞などを壊す
弊社は、抗体医薬と光線力学療法を組み合わせた新しいがん治療技術「iTAP法(アイタップ)」を開発しました。すでに基本特許による参入障壁を築き、東大や日本医大といった名門大と連携し実用化を目指しています。
「iTAP法」は、光線技術を利用して抗体医薬のがん殺傷効果を飛躍的に高める仕組みです。メスは使わず、内視鏡注射とレーザー照射のみで治療する、至ってシンプルな治療法であるため、身体的負担や副作用を最小限に抑えることができます。将来的にはがん治療が日帰りで完了する社会も夢ではないと考えています。
初期パイプラインは肺がんを選定し、すでにマウス試験を完了しています。2028年には医師主導治験(フェーズ1)を開始、早ければ2030年には製薬企業への導出を果たし、上市に向けた共同研究(フェーズ2)へと移行する計画です。
肺がんをターゲットに「iTAP法」の有用性を証明し、次期ターゲットである脳腫瘍や卵巣がんなどパイプラインを拡大するとともに、肺がん患者が増加する中国など海外展開も視野に事業を拡大してまいります。
医薬品の製造施設・設備を保有し、創薬ベンチャーを中心とした顧客から検証や治験に必要な医薬品の製造を受託する機関
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高齢社会の進展に伴い、がん患者の数は増加の一途をたどっています。しかし、現在の抗がん剤治療の多くは体への負担が大きく、副作用を伴うため、患者にとって大きな苦痛をもたらしています。特に労働年齢にある患者は、長期的な入院治療を余儀なくされることで、仕事や社会活動を断念せざるを得ないケースが少なくありません。
さらに、固形がんに対しては、依然として効果的な治療法が少なく、既存の治療法では再発リスクも高いのが現状です。このような背景のもと、患者にとって身体的、経済的負担が少なく、かつ高い治療効果を実現する新たなアプローチが求められています。
この課題に対して、弊社は「iTAP法」という革新的がん治療技術の確立を目指しています。同技術は、がん細胞をピンポイントで攻撃し、完全に死滅させる高い薬効を持ちながら、低侵襲(身体へ与える影響が少ない)である点が特長です。患者は従来の治療法と比較して身体的負担が軽減され、治療後も早期に社会復帰できるものと考えています。
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1 出典:WHOの2022年データをもとに弊社調べ
2 出典:みんかぶ
弊社は、複数のがんを対象に抗体医薬の開発を進めていますが、第一のパイプラインとして肺がん患者向けの創薬実現を目指しています。
対象となる患者数は日本で約2万人、米国約24.6万人、中国では約73万人と見ており、これら3カ国を合わせた市場規模は、1,600億円を超えています(弊社調べ)。
次期ターゲットである脳腫瘍や卵巣がんに関しては、肺がん患者数と比較すれば、少なく見えるものの、共に数百億円規模の市場規模であると推定しています(弊社調べ)。
また、弊社を後押しする動きとしては厚生労働省が、革新的な医薬品の早期実用化を目指し、薬事承認の迅速化や臨床試験の効率化を図る制度改革を推進しています。
出典:弊社調べ
「iTAP法」は、イムノトキシン(がん特異抗体と毒素を結合)と光線力学療法(PDT)を組み合わせることで、がん細胞を効果的に破壊する革新的治療法です。噛み砕くと、抗がん作用を持った「イムノトキシン」をがん細胞内部へ効率的に運びこみ(精度高く標的化)、光のエネルギーを利用して「イムノトキシン」の効果を増強するもの、と言えます。
以下の治療方法により、メスを使わず低侵襲でありながら高い薬効を発揮し、再発リスクを抑えることも可能になると考えています。
イムノトキシンががん細胞内に取り込まれるだけでは効果を発揮しません。そこへ光線力学療法を併用することで、エンドゾーム膜を破壊し、強力な抗がん作用を引き出すのです。
「iTAP法」は、日帰り治療を視野に入れた低侵襲かつ短時間で高い効果を発揮する治療法として、今後のがん治療の新たな選択肢になると考えています。
出典:弊社調べ
弊社のアドバンテージは大きく2点あると考えています。
1つ目は、強い抗がん作用を持った「イムノトキシン」の調製・製造ハードルを克服し、量産可能な製造技術まで確立したことです。
2つ目は、光線力学療法を組み合わせることで、がんを高精度で標的とし、「イムノトキシン」の効果を増強する技術を確立したことです。
これは「iTAP法」の確立と普及において欠かせない要素であり、光線力学療法の発案者である加藤と、抗体医薬研究に長年従事する代表浜窪のタッグが成せる競争優位の源泉であると考えています。
医薬品の研究開発においては、医療機関との協力が不可欠であり、特に「iTAP法」のような高度な光線力学療法を用いる治療法では、専門的な知識と技術を持つ医師の関与が重要です。
キーパイプラインである肺がんについては、加藤とそのチームを中心に構成される光線力学学会や日本医大と密接に連携しており、国内トップクラスの臨床医との協力体制を確立しています。そのほか、脳腫瘍の専門医や婦人科領域で光線力学療法の経験豊富な医師など医療業界に幅広いネットワークを有します。
出典:WHOの2022年データをもとに弊社調べ
現在、パイプラインは肺がんに加え、脳腫瘍、卵巣がん、悪性メラノーマなど複数のプロジェクトを同時並行しています。医師主導治験を経て安全性と薬効を確認した後、製薬企業や医療機関とライセンス契約を結ぶ(導出)予定です。
上市後は、製造および販売を製薬企業が担当し、弊社はライセンス契約に基づく収益を主な収益源とします。このビジネスモデルにより、製薬企業との連携を通じて製品の早期市場投入を実現するとともに、弊社は研究開発にリソースを集中し、新たながん腫向けの創薬に注力していきます。
下の表は現時点において今後の経営が事業計画通りに進展した場合のスケジュールです。そのため、今回の資金調達の成否、調達金額によって、スケジュールは変更となる場合がございますので、予めご了承ください。また、売上高は事業計画を前提としており、発行者の予想であるため、将来の株価及びIPOを保証するものではありません。
実績
予測
売上計画
2024.8
2025.8
2026.8
2027.8
2028.8
2029.8
2030.8
2031.8
0億円
0億円
0億円
0億円
0億円
0億円
15億円
15億円
0
2
4
6
8
10
12
14
16
0
4
8
12
16
億円
遺伝子組み換え大腸菌培養でのトキシンの大量製造法を確立することを目指し、実験室スケールから試験製造を開始します。培養スケールを10リットルまで上げて、最適条件の確立を目指します。また、作製したトキシンを用いて、これまでと同様の性能であることを確認するため、生化学試験、細胞実験、動物実験を実施します。また並行して、新しい機能を付加したトキシンが製造可能であることを確認し、機能についての生理実験を行うことを計画しています。
一定基準を満たすバイオ医薬品製造受託会社(CDMO)でのトキシンの製造法確立を目指します。治験用イムノトキシンの製造法(抗体とトキシンのを化学結合)確立も並行してCDMOに委託し、段階的スケールアップや品質試験法などの検討を開始します。さらに試験製造されたイムノトキシンを用いて、薬効試験を開始する予定です。研究開発では、脳腫瘍治療薬の開発に向けて基礎検討を開始する計画です。
イムノトキシンの製造確立を完了し、治験用のイムノトキシン製剤の製造を開始することを目指しています。また、試験製造されたイムノトキシンについてのサルを用いた予備的な毒性試験を完了し、治験を開始するために規制当局(PMDA)にデータを提出することが必要な毒性試験の本試験を開始する予定です。さらに、パイプライン2の脳腫瘍治療薬開発の基礎検討を継続し、パイプライン3の卵巣がんについての基礎検討を開始する計画です。また、パイプライン4の悪性黒色腫治療薬について、抗体の選定を含めて、基礎検討を開始する計画です。
治験用イムノトキシンの製造を完了する予定です。また、イムノトキシンのサルを用いた毒性試験(本試験)を完了することを目指しています。さらに、治験に必要な治験薬概要書、治験実施計画書を完成し、規制当局の事前了解を得る計画です。その上で治験届を提出し、大学病院で医師主導治験(第Ⅰ/Ⅱ相試験)を開始する予定です。対象は外科手術が困難な初期肺がん(Ⅰ期~Ⅱ期)とし、投与量を漸増していくことにより安全性を確認するとともに薬効についても評価の対象とします。症例数は10~20を想定しています。
上記医師主導治験を継続して実施します。また、脳腫瘍の治験を開始するために必要なサルを用いた毒性試験(本試験)を完了する予定です。さらに、脳腫瘍の治験のためのイムノトキシン治験製剤の製造を開始します。IPOを目指したn-2期として必要な監査の実施と内部統制の整備を図る計画です。
上記医師主導治験を完了し、解析用のデータを整備する計画としています。また、脳腫瘍を対象とした治験用のイムノトキシンの製造を完了する予定です。さらに、医師主導治験の結果をもとに、次のステップの治験に対する共同開発先(導出先)に目途を付けることを目標としています。IPOを目指したn-1期として証券会社とのコミュニケーションを密にして、目論見書等の必要な書類の準備を完了する計画です。
肺がんを対象とした医師主導治験の総括報告書を作成し、規制当局に医師主導治験の終了報告を提出する予定です。さらに、脳腫瘍を対象とした治験(第Ⅰ/Ⅱ相試験)の治験届を提出し、期内に治験を開始する計画です。2030年8月期の決算をベースに上場申請を行い、証券会社及び東京証券取引所の審査を終え、期末までにはIPOを実施する計画です。
「▶︎ボタン」をクリックすると各年度目標の詳細をご確認いただけます。
また、上記のサービス追加は、今回の資金調達に伴って行われるものではなく、今後、新たな資金調達を行うことによる追加を計画しているものです。なお、新たな資金調達の方法は現時点において未定です。
肺がんにおいては、現在治験薬の量産に向け、CDMO(医薬品開発製造受託機関)と調整を図っており、今回の資金調達を機に製造をスタートさせる計画です。2028年には医師主導治験をスタートし2030年の導出を計画しています。
次期ターゲットは脳腫瘍と卵巣がんを想定しています。いずれも基礎検討を進めており、上述した各領域の専門医の協力を仰ぐことでスムーズな治験進行が可能であると考えています。
ライセンス先となる製薬企業開拓においては、株主でもある大手ベンチャーキャピタルDEFTA PARTNERSのリソースも活用しながら推進していく予定です。すでに、一部の製薬会社との折衝を開始している状況で、初期パイプラインの肺がん治療薬上市へ共同研究・開発の基本方針を協議しています。
光線力学療法の弱点の一つに、光が届かない病巣には効果がないことが挙げられます。これに対して、病巣奥まで光を届けるニードル(針)型医療機器の開発も視野に入れています。この方法が確立できれば、すい臓がんやリンパ節にまで転移した進行がんも切開せず、治療が可能になると考えています。
海外展開においては、各国文化や生活習慣によるがん罹患率の違いを考慮し、ターゲット市場を選定していきたいと考えています。たとえば、肺がんの危険因子とされる喫煙率が日本を上回る中国、米国、インドといった巨大なマーケットもターゲットになります。
また、卵巣がん治療の権威であるハーバード大学教授が「iTAP法」に興味を示しており、米国での臨床治験及び卵巣がん治療薬の市場投入を検討しています。
下記のKPIの推移については、事業計画書(売上高等推移予想)の内容を反映しております。なお、KPIの推移については、発行者の予測であり、必ずしも保証されるものではありません。事業計画書につきましては契約締結前交付書面の別紙1-1・別紙1-2をご確認ください。
実績
予測
肺がんに関するパイプラインの開発進捗率※
2024.8
2025.8
2026.8
2027.8
2028.8
2029.8
2030.8
2031.8
0%
0.5%
11.1%
70.5%
95.5%
95.5%
100%
100%
0
12.5
25
37.5
50
62.5
75
87.5
100
0
25
50
75
100
%
肺がんに関するパイプラインにおいて導出までに想定される研究開発費に対する、期末までに発生した研究開発費の割合となります。
実績
予測
脳腫瘍に関するパイプラインの開発進捗率※
2024.8
2025.8
2026.8
2027.8
2028.8
2029.8
2030.8
2031.8
0%
0%
0.4%
2.5%
5.4%
9.7%
78.9%
89.6%
0
12.5
25
37.5
50
62.5
75
87.5
100
0
25
50
75
100
%
脳腫瘍に関するパイプラインにおいて導出までに想定される研究開発費に対する、期末までに発生した研究開発費の割合となります。
京都大学医学部博士課程修了。東京大学名誉教授。東京大学先端科学技術研究センター教授、日本医科大学社会連携講座教授を経て現職
生化学研究から、膜タンパク質発現解析法、抗体作製法の開発、抗体医薬開発などに従事。ファウンダー、2019年創業時より参画。1998年ベルツ賞受賞
St. Michael’s College(US) 修士卒業(MSA).1987年からバイオテクノロジーに関連する企業を数社立ち上げ、それらの解析技術をベースにした創薬の新しいモデルにチャレンジし、世界的に注目されつつある
ルンド大学(スウェーデン)等海外とのコラボも多く、東大先端研にラボを持ち創薬スクリーニング技術、臨床プロテオジェノミクスに新しい成果をもたらしている。ファウンダー、2019年創業時より参画
東京大学大学院総合文化研究科(科学基礎論)修士課程修了
2002年ソフトウェア開発ドリームテクノロジーズの取締役に就任、M&A、企業再編などを実現し、多業種の事業責任者を経験
新規事業開発、コンサルティング業務を経て、2014年より㈱アーリーリフレクションの代表。科学技術シーズのインキュベーションを手掛ける。ファウンダー、2019年創業時より参画
田辺三菱製薬(株)蛋白医薬研究所長、富士フイルム医薬品事業部統括マネージャーとしてバイオ医薬品の研究開発を主導
(株)ペルセウスプロテオミクスに転籍後、外部からの資金調達により同社を富士フイルムより分離し、上場への道を切り開く。その後、複数のスタートアップに参画して再生医療、抗体医薬の創薬事業を推進
現在はバイオイノベーションパートナー代表としてスタートアップ事業のサポートとアカデミアからの起業支援を行っている。弁理士登録資格保有。2023年より事業開発本部長として参画。2025年より取締役
慶應義塾大学法学部卒業後、三井物産本店及び海外拠点に勤務。同定年退職後、上場会社の代表執行役を経て、上場企業の常勤監査役、社外監査役等を歴任
バイオ分野、先端技術分野でのベンチャー支援を得意とする
日本肺癌研究センター センター長。新座志木中央総合病院 名誉院長。東京医科大学呼吸器外科教授を経て現職
肺癌治療の世界的権威。早期肺がんに関するレーザー治療<光線力学療法(PDT)>考案者、第一人者、第17回国際光線力学学会にてゴールドメダル賞受賞
東北大学大学院農学研究科修士課程修了。旧協和発酵(株)(現協和キリン)入社後、医薬品探索から初期の臨床試験に従事
その後、旧協和メデックス(株)(現ミナリスメディカル)にて、診断薬の研究開発責任者および経営全般担当として勤務。同社定年退職。生化学、薬理学をベースとした創薬、診断薬開発を得意とする
代表の浜窪は、大学病院の内科研修医として白血病患者さんと接したことをきっかけに、がん治療薬の開発を志しました。基礎医学の研鑽を積む中で、抗体医薬の可能性を強く感じ、がん抗原の同定から特異的抗体の作製、放射線を用いたイメージング法、そして新しい治療法の開発を行ってきました。
抗体医薬は、がん治療を塗り替えているが、まだ十分といえない。そこで、これまでの経験を活かし、光を用いてがん細胞を効率よく殺傷する治療法を開発するため、PhotoQ3社を設立しました。
PhotoQ3社では、強い抗がん作用のある酵素トキシンの大量調整に成功し、また光治療を開発してきた先生方のご指導もあり、イムノトキシンと光感受性色素を用いるiTAP法を確立するに至りました。iTAP法では、抗体医薬と光治療のシナジーにより、従来法に比べ副作用が少なく高い効果が生じるため、いまだ治療が困難ながんの患者さんに、体にやさしい新しい治療法を提供することができると考えています。
浜窪隆雄先生とPhotoQ3の新たな挑戦を応援します!
私は株式会社EXORPHIA(エクソーフィア)の創業経営者です。当社はエクソソーム創薬の研究開発を進めており、浜窪先生には創業初期から多大なご助力をいただきました。
浜窪先生は、長年にわたり生化学や抗体医薬の研究に従事され、東京大学先端科学技術研究センター教授や日本医科大学特任教授を歴任されました。その深い知見を基に、株式会社PhotoQ3を設立し、がん治療の最前線で革新的なアプローチを展開されています。
現在、がんは日本の死因の第一位であり、2022年には約38万人ががんで亡くなるなど、未解決の課題が山積しています。また、がん治療薬市場は年平均成長率8.7%と急成長しており、PhotoQ3が挑む分野は大きな期待を集めています。
PhotoQ3が開発中の「iTAP法」は、抗体の特異性と光エネルギーを組み合わせることで、がん治療における高い薬効と低副作用を実現する革新的な技術です。この技術が広く普及すれば、がん治療の未来に革命をもたらす可能性があります。
浜窪先生の確かな研究成果と情熱、そしてPhotoQ3のチームの卓越した専門性があれば、この新たな挑戦は成功すると確信しています。心から応援しております。
私が長年親しくしている浜窪隆雄博士は、自身が創出し、開発し、商業化に成功した画期的なiTAP技術を基に、PhotoQ3, Inc.を設立しました。
iTAP法は、光エネルギーを抗体やペプチドなどの生体特異的分子、さらにはトキシンと独自に組み合わせることで、正確かつ効果的な副作用の少ないがん治療を提供します。
PhotoQ3は、肺がん、脳腫瘍、卵巣がん、悪性黒色腫などのがんを治療する複数の薬剤候補を開発中です。同社の主力薬剤である肺がん治療用のiTAP PQ001は、今年前臨床試験を開始する予定です。また、イムノトキシンを効率的に製造するコスト削減技術も開発しています。
私は、PhotoQ3ががん治療を革新する可能性を強く信じています。その革新的な技術と浜窪博士の卓越したリーダーシップにより、この会社はがん治療の分野に新たな希望をもたらす準備が整っていると言えるでしょう。
東京大学先端科学技術研究センターにて、私は大学・大学院の頃から、がんのゲノムデータを解析し、可視化をする取り組みをしていました。当時から浜窪先生にはお世話になり、タンパク質の網羅的解析・プロテオミクス、抗体医薬のことも含めて、いろいろ教えていただきました。その後、私が起業した後も、応援していただいたり、お話する機会を持っていました。
PhotoQ3 Inc.は、浜窪先生が研究なさっていた技術を元に、新しいがんの治療薬を作ろうという新しいチャレンジです。がんは、皆さんご存知の通り、日本人では2人に1人が生涯でなる、と言われている疾患です。近年、抗体薬物複合体(ADC)など、がん細胞内に抗体に付与した薬物を直接届けるという新しい薬剤が出てきて、高い治療効果を発揮するようになってきました。
私が従事しているがんのゲノム医療においては、がん細胞のゲノムの情報を得て、薬剤の標的を見つけ、その標的に合った薬剤を選ぶことなどが行われたりしています。その際に、重要なのが、効果的な薬剤がどれだけあるか、ということになります。
今回のチャレンジは、浜窪先生の iTAP法(intelligent Targeted Antibody Phototherapy)です。癌細胞だけに取り込ませる抗体医薬の専門知識、癌細胞に蓄積される光感受性色素の活用、光照射をすることによる局所性の確保の3拍子揃った仕組みで、がんを強く叩く、という方法です。ADCより毒性を少なくでき、より癌細胞だけを叩き、副作用を軽減させつつ、効果を高めることができる薬剤として期待できる手法です。
このiTAP治療法の実現に向け、浜窪先生を始め、抗体創薬の事業開発経験者、臨床の知見を持ったメンバーでチャレンジするのがPhotoQ3社です。がん治療という大きな社会課題に対して、専門分野の新技術を使い、新しい治療薬を作る挑戦、応援しています。
浜窪社長とは、彼が京大の大学院生であったころから40年以上の長い付き合いとなります。私の方は、産業技術総合研究所、国立循環器病研究センター、阪大、神戸大でバイオベンチャーの支援に関わってきました。
創薬ベンチャーへの投資は製品化への道のりが長く、リスクも大きいことから、特に日本では敬遠されがちです。しかし、私は同社への投資は二つの理由でチャンスと考えます。
①抗がん剤はがん細胞以外の組織に作用することで副作用が出ますが、同社のiTAPはがん細胞に非常に特異的に作用するための仕組みを持っており、高い治療効果と副作用が少ないことが期待されます。また、臨床試験から承認へ向けて、大学・学会との連携体制もしっかりと構築されており、次世代がん治療薬が創出されるポテンシャルは非常に高いと言えます。
②創薬事業の長い道のりを支えるには優れた人材が必要であることは言うまでもありません。その点で、浜窪社長の東大、京大、日本医大を含む広い人脈と、この人を応援したいと思わせる人柄は同社の大きな強みです。既に十分な経験を持つ人材による経営体制が構築されているのはその証左と言えます。
国民の二人に一人ががんになる時代に、同社のiTAPがゲームチェンジャーとなる次世代がん治療薬となることを期待しています。
弊社が運用するファンドより株式会社PhotoQ3に2022年以降、2回に分けて出資を行っています。同社は、主にがん領域において優れた薬効と副作用のない新規治療法の開発を行っており、弊社の掲げる「革新的医学の事業化を行い、天寿を全うする直前まで健康である社会の実現」という理念に合致するものと強く感じたことがその理由です。
人類とがんや感染症などの病気との闘いは、有史以来のものだといわれています。科学技術の進展により多種多様な治療薬・治療法が開発され、近年は抗体医薬をはじめとしたバイオ医薬品が大きな治療効果をあげてきていますが、副作用や治療期間の長さなどの問題があり、完全なものとはいえません。また、世界的な超高齢化社会の進展に伴い、従来にもまして体に負担が少なく機能が温存される治療がもとめられています。弊社は、「治療法のない疾患に、身体に優しい治療方法を創出することにより、患者さんと社会に貢献していく」というPhotoQ3の考えに共感し出資を決定しました。
言うまでもなく、がん(悪性新生物)は日本人の死因の第1位を占めており、同社が製品を展開するがん治療薬の市場は、2022年に世界で約28兆円、日本だけでも約2兆円の市場規模があり、年々拡大傾向にあります。治療薬や診断検査の進歩により、早期発見・早期治療が望めるがんが多くなってきた半面、難治性のがんや治療薬のないがんもまだ数多く存在しています。
同社ががん治療に用いるイムノトキシンは、がん特異抗体にリボゾーム破壊酵素を結合させたものであり、抗体薬物複合体(ADC)で用いられるペイロードと比べて強い抗腫瘍活性があります。このイムノトキシンと腫瘍特異的光感受性色素を併用することで、がん特異性を向上させ、これらの薬剤を取り込ませたがん病巣部に局所的に光を照射することにより、トキシンの効果と光線力学療法(PDT)の効果が相乗的に作用する治療法、iTAP(intelligent Targeted Antibody Phototherapy)法を同社は開発しました。PDTは侵襲性が低いことに加え、抗体と光増感剤というがん細胞への特異性を二重に持っており、増殖の遅いがん幹細胞も殺傷できるトキシンを使用しているため、治療回数と副作用が少なく、再発を抑制できるというメリットがあります。つまり、iTAP法は、働く世代に社会活動を保つ治療法を提供し、更に治療困難ながんや手術適用が困難な高齢世代に新しい治療法を提供するものとなっています。
代表取締役であり医師でもある浜窪隆雄先生は、東京大学先端科学技術研究センター教授、日本医科大学社会連携講座教授を歴任され、生化学研究から、膜タンパク質発現解析法や抗体作製法の開発、抗体医薬開発の第一人者です。また、科学技術顧問を務める加藤治文・東京医科大学名誉教授/新座志木中央総合病院名誉院長は、肺がん治療の世界的権威でPDTの考案者であり、第17回国際光線力学学会にてゴールドメダル賞を受賞されています。PhotoQ3の経営陣は、製薬メーカーでの長年にわたる医薬品開発や創薬ベンチャーでの事業開発の経験・知識を有しており、がん治療・光治療・抗体医薬品の第一人者による科学技術力と臨床連携力を備えたチームとなっています。
このような優れた人材、革新的な技術力で、今後、大きな市場を生み出す可能性を秘めたスタートアップとして、弊社は全力で支援しています。
浜窪隆雄先生を京都大学在学の時代(1978年頃)から存じ上げております。がん治療を含む重要な創薬開発を通じた医療課題の解決に取り組む研究事業に投資するベンチャーキャピタルの活動やインパクト投資を推進しうる活動をしています私からも、ぜひ応援させて頂きたいと思います。
残念ながら私自身は、創薬開発にかかる知見はございませんので勝手なことが申し上げられませんが、何事にもしっかりとした計画性を持たれ、科学者としての真摯な活動を規律とされている方なので、その開発の成功の確率は高いのではないかと期待しております。
クラウドファンディングの仕組みは、先進的な研究開発にリスクマネーを供給する仕組みとして、共感の得られる方々の資金提供を募るものとして、私自身も期待しております。
ぜひ、皆さまの応援を得られることを祈念しております。
弊社には、以下のメディア掲載実績があります。
資本金: | 100,000,000円(2024年12月23日現在) |
発行済株式総数: | 641,000株(2024年12月23日現在) |
発行可能株式総数: | 50,000,000株 |
設立日: | 2019年9月26日 |
決算日: | 8月31日 |
株式会社PhotoQ3による株主名簿及び新株予約権原簿の管理
株式会社PhotoQ3第1回FUNDINNO型有償新株予約権に投資するにあたってのリスク・留意点等の概要
※以下は株式会社PhotoQ3第1回FUNDINNO型有償新株予約権に投資するにあたってのリスク・留意点等の概要です。詳細については必ず契約締結前交付書面をご確認ください。また、一般的なリスク・留意点については 「重要事項説明書」をご確認ください。
発行者は前期決算期末(2024年8月31日)及び直近試算表(2024年10月31日)において債務超過となっています。今後、売上高が予想通りに推移しない場合、債務超過が継続するリスク及び有利子負債の返済スケジュールに支障をきたすリスクがあります。
新株予約権は、権利行使期間の終了までに株式に転換するための権利行使をしないまま権利行使期間が終了すると権利が消滅し、投資金額の全額を失うことになります。
募集新株予約権及び新株予約権を行使して取得した株式は、非上場の会社が発行する有価証券であるため、取引の参考となる気配や相場は存在しません。また、換金性も著しく劣ります。
発行者の発行する新株予約権及び新株予約権を行使して取得した株式には譲渡制限が付されているため、店頭取引が行われたとしても、譲渡による取得について発行者による承認が得られず、新株予約権者及び株主としての権利移転が行われない場合があります。
募集新株予約権及び新株予約権を行使して取得した株式は、金融商品取引所に上場されておらず、その発行者は、収益基盤が確立されていないことなどにより財務体質が脆弱な状態となっている場合もあります。当該発行者等の信用状況に応じてご購入後に価格が変動すること等により、損失が生じることや、その価値が消失し、大きく価値が失われることがあります。
募集新株予約権は、社債のように償還及び利息の支払いが行われるものではなく配当は支払われません。また、新株予約権を行使して取得した株式について、配当が支払われないことがあります。
募集新株予約権について、金融商品取引法に基づく開示又は金融商品取引所の規則に基づく情報の適時開示と同等程度の情報開示は義務付けられていません。
有価証券の募集は、金融商品取引法第4条第1項第5号に規定する募集等(発行価額が1億円未満の有価証券の募集等)に該当するため、金融商品取引法第4条第1項に基づく有価証券届出書の提出を行っていません。
発行者の財務情報について、公認会計士又は監査法人による監査は行われていません。
発行者の前期決算期末(2024年8月31日)及び直近試算表(2024年10月31日)において営業損失が計上されています。今後、売上高が予想通りに推移しない場合、営業損失が継続するリスクがあります。
今後の市場動向及び市場規模など不確実性を考慮した場合、競合他社の参入等により当該会社の市場シェアの拡大が阻害され収益性が損なわれるリスクがあります。
発行者の設立日は2019年9月26日であり、税務署に提出された決算期(2024年8月31日)は第5期であり、現在は第6期となっています。 上場企業等と比較して銀行借入等による融資や各種増資について円滑に進行しない可能性があります。 発行者の資金調達計画(今回の募集株式の発行による増資を含みます)が想定通りに進行せず、事業拡大に必要な資金が調達できない場合、事業計画及び業績に影響を及ぼす可能性があります。発行者は当募集において目標募集額を3,096万円、上限応募額を9,999万円として調達を実行します。 但し、現時点では上記資金調達が実行される保証はありません。なお、発行者は当募集後、2025年6月に不足分の資金調達を予定(※但し、今回の資金調達により上限応募額に到達した場合は、2025年6月の不足分の調達は行わない予定です)していますが、売上実績が想定どおりに進まない場合には予定している資金調達に悪影響を及ぼし、今後の資金繰りが悪化するリスクがあります。
発行者は創業以来、配当を実施していません。また、事業計画の期間に獲得を計画しているキャッシュ・フローは事業拡大のための再投資に割り当てる計画です。そのため、将来的に投資家還元の方法として配当を実施する可能性はありますが、事業計画の期間においては配当の実施を予定していません。
発行者の事業において販売するサービスは、販売時の景気動向、市場の需給状況により予定販売単価及び想定販売数量を大幅に下回る可能性があります。
著しい売上高の下落、予想外のコストの発生、現時点で想定していない事態の発生などの事象により、資金繰りが悪化するリスクがあります。
発行者は、事業を実施するにあたり関連する許認可が必要となる可能性があります。 発行者が既に必要な許認可を得ている場合であっても、法令に定める基準に違反した等の理由により、あるいは規制の強化や変更等がなされたことにより、 その後に係る許認可が取り消され、事業に重大な支障が生じるリスクがあります。
発行者の事業は、代表取締役の浜窪隆雄氏(以下、同氏)の働きに依存している面があり、同氏に不測の事態が発生した場合、発行者の事業展開に支障が生じる可能性があります。
ファンディング・プロジェクトが成立しても、払込金額及び振込手数料が一部のお客様より払い込まれないことにより、発行者が当初目的としていた業務のための資金調達ができず、発行者の財務状況・経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
発行者から当社に対しては、審査料10万円(税込:11万円)が支払われるほか、今回の株式投資型クラウドファンディングが成立した場合、募集取扱業務に対する手数料として、株式の発行価格の総額の20%(税込:22%)相当額(2回目以降のファンディング・プロジェクトが成立した場合、1回目の募集取扱契約書の締結日を基準として以下の区分により募集取扱業務に対する手数料を発行者から申し受けます。)が支払われます。
1回目の募集取扱契約書の締結日 | 店頭有価証券の発行価格の総額に対する当社手数料の比率 |
2023年12月21日以前の発行者 | 15%(税込:16.5%) |
2023年12月22日以降の発行者 | 18%(税込:19.8%) |
神戸大学客員教授/産業技術総合研究所名誉リサーチャー