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Business -ビジネスについて-
聴診技術の底上げと遠隔診療の実現を目指す!
弊社は、聴診のトレーニングが行えるシステム「聴くゾウ」と、それに付随する聴診ポータルサイト、さらに、AIによる症候診断を行うことができるシステム「パソノ」を提供しています。
「聴くゾウ」はスピーカー型のデバイスで、短期間で医療従事者が高度な聴診技術を習得することを可能とします。
クオリティの高さを評価されて、既に多くの大学や基幹病院に採用されており、聴診トレーニングや試験などで活用されています。(導入実績はこちら)
さらに、「日本e-Learning大賞」にて「EdTech特別部門賞」を受賞したりと、様々な場面で高く評価されています。
弊社では、この「聴くゾウ」をバージョンアップさせ、第5世代移動通信システム(以下、5G)の誕生とともに期待が高まっている遠隔医療分野で活用される医療機器デバイスへと昇華させていくことを目指します。
遠隔医療において、聴診や触診ができないことが「身体所見把握」の限界として指摘されており、弊社ではこの遠隔での聴診に「聴くゾウ」が活用できると考えています。
現在、本デバイスは聴診のトレーニング機器として特許も取得しており、今年より、欧米・アジアへの展開もスタートさせていきます。
▲ クリックすると、動画をご覧いただけます。
Problem -解決したい課題-
最新技術がもたらす医者と患者の関係性の希薄化
近年、医療を取り巻く環境が大きく変化し、様々な最先端機器や技術が開発されており、この様な環境の変化は、大きく医療を発展させてきました。
また近年では、5Gのスタートが2020年に迫り、「遠隔医療」においても大きな変革が生まれようとしています。
しかしその一方、従来行われてきた、問診、触診、聴診といった「身体所見の把握」が診療において軽視され、場合によっては省略されるケースが発生しています。患者のステータスに関わらず、パソコンに表示されたデータをみて告げるだけ、もしくは最先端機器での診断に重きを置く形で対応されているというのです。
この様な状況において、最新の医療機器を用いて治療を受けたとしても、治療過程の説明不足やコミュニケーション不足により、患者は不安や不満を抱きます。
これが、ドクターショッピングにも繋がっています。(ドクターショッピング:精神的・身体的な問題に対して、医療機関を次々と、あるいは同時に受診すること。)
また、診療報酬の対象となった遠隔医療においても、身体所見の把握に必要な「聴診や触診」ができないことが指摘されています。近代医療は「人の手が持つ力」という、昔からある聴診や触診などの優れた診断技法を失いつつあり、患者がもはやパソコン上のデータに過ぎなくなるという奇妙な医療環境が生じています。
▲ 「患者が病院を変更した理由」から、医者と患者の関係性の重要性が読み取れます。(データ:MASパートナーズ調べ)
Solution -課題解決-
聴診技術を現代医療に融合させる
聴診技術の習得は、専用の機材を用いてトレーニングが行われてきました。
しかし、この機材は大型で高額機器であることから、聴診をトレーニングしたい学生や医療従事者などが、いつでもどこでも学習できるという環境ではありませんでした。
弊社が開発した聴診専用スピーカ「聴くゾウ」は、小型で安価であるため、いつでもどこでも学習することができ、しかも、生体から発生する音と遜色がないリアルな音であるため、即戦力となる技術を習得することができます。
また、ユーザーはクラウド上のポータルサイトにアクセスすることで、様々な症例の聴診音を確認することができ、いつでもどこでも聴診技術を研鑽することができます。
このような環境を構築することにより、医師、看護師、薬剤師などの、医療従事者の聴診スキル不足を解消し、病態変化をすばやくとらえたり、副作用の早期発見が可能になると考えています。
また、遠隔診療において、現場で電子聴診器などの収音デバイスから取得した音の、出力側デバイスとして「聴くゾウ」を活用することにより、医師は生体から発生する音をリアルに近い環境で聴くことができる様になります。
これにより、聴診技術を現代医療にバージョンアップさせ、対面や遠隔での診療精度とともに、医師をはじめとする医療従事者と患者の関係強化に貢献できると考えています。
▲ 聴診トレーニングと遠隔医療で「聴くゾウ」が活用されていくことを目指します。
Product -プロダクト-
低価格化と高品質化を両立
「聴くゾウ」が大学機関や基幹病院などへの浸透が、これほど早期に実現できたことの要因の一つが価格です。
導入の際の比較対象となる、既存の人形型のシュミレータは1台あたり数百万円ほどし、それゆえ、管理も厳重に行われており、気軽にトレーニングが行なえなかったのです。
「聴くゾウ」は1台10万円程度とリーズナブルな価格設定で提供し、さらに今後、聴診トレーニングアプリを提供することにより、医学生や研修医など多くのユーザーが気軽にトレーニングができる環境を構築しています。
また、「聴くゾウ」は生体から発生する音と、ほとんど遜色がない音(周波数)が再現できるように設計されています。
プロダクトの心臓部の重低音スピーカーは、大手音響メーカと提携し、設計から製品の組み立て、出荷時の試験に至るすべての工程を一貫して同社の工場で生産しています。
▲ こちらから一般的なシミュレータと「聴くゾウ」の音比較を確認することができます。
音源種類の豊富さを実現
聴診音は、病気と音の関係が1:1ではなく、病気の重症度や患者さんの体形によっても聴こえ方が違ってきます。
そのため、様々なパターンの音を聴くことが聴診トレーニングに最適な方法です。
弊社では、音源数に関して、120種類以上の音を利用しています。(こちらから音源ポータルサイトをご確認いただけます)
自社で編集加工を行い、そのうえで専門医の監修を受けています。監修時には「リアルな音であること」を基準に確認してもらっていることが、利用者の評判を獲得することができた要因だと考えています。
様々な症例の音を提供する弊社のプロダクトは、個人差を学ぶことができる点で大きな強みになっています。
▲ 聴診ポータルサイトには、多くの若い世代がアクセスしており、医学生や研修医などの聴診トレーニングに大きく寄与しています。
遠隔医療ビジネスへの参入の実現性
弊社は、AIによる症候診断を行うことができるシステム「パソノ」を提供しています。(こちらから実際に操作することができます)
このシステムは、医療機関の問診ツールとして活用することで、医師の負担を減らし、よりクオリティの高い診療ができることを目指して開発しました。
また、薬剤師が病気相談に対応する際や、ユーザ自身が症状から病気を検索する際にAIがサポートすることで、より的確な病気の検索ができると考えています。今後さらに、この「パソノ」で聴診音のAI解析を行い、医師の診断をアシストする人工知能へとバージョンアップしていく計画です。
一方、現在の医師法では、AIだけで診断を下すことはできません。聴診においては、医師はかならず患者の胸の音を聴かなければなりませんので、遠隔診療において「聴くゾウ」があれば、システム的に遠隔聴診が可能になります。
もちろん、遠隔診療においても聴診という技法が、患者と医師の関係をよりよいものにすることに変わりはありません。
▲ アプリとハードを提供できることが、弊社のサービスの強みだと考えています。
Market -市場獲得-
国内展開を皮切りに海外市場へ参入。将来は遠隔診療へバージョンアップ
弊社サービスの国内展開において、自社の専門家ネットワークと医学教育に強い販社との協力関係を活用して、「聴くゾウ」をさらに拡大する活動を行っています。
大学機関以外でも、基幹病院や動物病院、獣医学部などからも引き合いを受けていることから、国内での自社製品の認知度はより高まっていくものと考えています。
また、昨年11月、海外の医師に「聴くゾウ」をプレゼンする機会があり、実際に聴診器を使って「聴くゾウ」の音を聴いてもらったところ、海外医師団の評価は国内の医師同様に高いものでした。
これをきっかけに、海外での流通を目指し、特許申請、ECマーク取得、マルチリンガルのサイト作成の準備を行なっていきます。そして更に、将来の遠隔医療への参入を想定し「聴くゾウ」の医療機器申請を行うことを計画しています。
(下記:矢野経済研究所、日本医療機器開発機構、グローバルインフォメーションより)
約3,000件/年
国内M&A取引件数
約15兆円/年
国内M&A取引額
約127万社
後続者未定企業数
Advantages -優位性-
複数の特許を取得
「聴くゾウ」は、ポータルサイトによる音の提供方法とスピーカに関して特許を取得しています。(特願2016-257489、特願2016-122186、特願2016-056362)
この技術は、今後、ビジネスを拡大させていく上で根幹となる、大きな優位性につながります。
また、自社でいろいろな音の加工ができることは、競合に対する対策がすぐに打てる点で大きなメリットです。
実際、すでに複数の企業や出版社から音の提供相談を受けていたり、大病院やどうぶつ病院との共同研究がスタートしていますので、ますます競争優位性/参入障壁は大きくなっています。
さらに、現在、海外特許も申請しており、今後もビジネス展開に大きなチャンスをもたらすものと考えています。
多くの専門家とのネットワークを保有
弊社では、代表の藤木が製薬会社勤務時代に関係を構築してきた専門医に加え、新たな専門医師との関係を拡大しています。その中で、聴診で高名な専門医との共同作業により、自社にそのノウハウ(知的財産)を蓄積しています。
医療現場で評価される音を作るためには必ず、聴診のベテランの方の協力が必須になりますが、その点で優位な状況で事業を進めることができることが強みになっています。
聴診技術における確固としたポジションをいっそう確立していきます。
長期利用ユーザーの獲得が可能
弊社が提供している「聴くゾウ」は、医療従事者がトレーニング機器として学校などで活用するプロダクトです。
卒業後も、自身や病院などで活用することができ、さらに今後、遠隔医療の現場にも応用できる他に類を見ないプロダクトとして、バージョンアップしていきます。これにより、長期的にバリューを上げていきます。
また、当事業は、音源をクラウド管理するインターネット事業であることから、会員ビジネスなど様々な付加価値を提供できる可能性もあります。
ゆえに、長期的に利用する可能性のあるユーザーを学生時代から獲得できることは、今後のビジネス展開にとても強いアドバンテージになると考えています。
Business model -ビジネスモデル-
聴診トレーニングツール「聴くゾウ」は、医療従事者の聴診トレーニングおよび、遠隔医療への応用を目指していきます。
また、パソノを患者の診断予測に役立て、さらに電子聴診器からの聴診音をアップロードしAI解析することにより、遠隔診断が行えるようにすることを目指します。
マネタイズに関しては、「聴くゾウ」の販売に加え、今後提供する「聴診アプリ」と「教育で使う管理ソフトウエア」の利用料、および、AI機能のバージョンアップした「パソノ」のサブスクリプション課金モデルです。
Milestone -マイルストーン-
下の表は現時点において今後の経営が事業計画通りに進展した場合のスケジュールです。そのため、今回の資金調達の可否、調達金額によって、スケジュールは変更となる場合がございますので、予めご了承ください。
売上高は事業計画を前提としており、発行者の予想であるため、将来の株価及びIPO等を保証するものではありません。また、上記のサービス追加は、今回の資金調達に伴って行われるものではなく、今後、新たな資金調達を行うことによる追加を計画しているものです。なお、新たな資金調達の方法は現時点において未定です。
Trigger -きっかけ-
患者さんの不安・不満を減らしたい
薬剤師業務に従事する中で、以下の課題に直面したのが聴診事業をはじめるきっかけになりました。
1.患者さんの医療に対する不満の声
受診した患者さんからよくきく話の中に、長い時間待ったにもかかわらず、医師は聴診器もあててくれないと不満の声があります。
聴診器をあててほしいのではなく、話を真摯に聞いてほしいということに他なりませんが、聴診器をあてる行為をもって信頼関係が生まれるというのも事実であることを知りました。
2.聴診を学ぶ環境が不十分
薬剤師の研修会で聴診を学ぶ機会がありました。研修会では聴診練習用の人形を使います。家には人形がありませんので、個人で学習することができません。
もしかしたら本当に10億円の価値が売り手さんにあったかもしれません。逆に、もし3億円の価値だとしたら、5億円でも得をしたかもしれません。
3.聴診が重要であることが再認識されはじめた
専門家に会うたびに聴診の重要性を聞くようになりました。海外でも聴診の重要性の声が大きくなっています。
さらには、遠隔医療においても聴診ができないことに課題があることが指摘されていましたので、自社で取り組めるのであればという思いでチャレンジすることを決めました。
藤木 清志(代表取締役 薬剤師)
福岡大学薬学部卒業後、山之内製薬(現アステラス製薬)入社。
営業担当、学術担当を経たのち、本社マーケティング担当。
2010年、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(MBA)修了
2012年株式会社テレメディカ創業。
2016年6月 かわさき起業家オーディションかわさき起業家賞ほか
同 11月 KSPビジネスイノベーションスクール最優秀賞
同 12年 日本政策金融公庫資本制ローン採択
2018年1月 川崎ものづくりブランド認定
同 4月 中小企業優秀技術・新製品優良賞
同 10月 日本e-learnig大賞EdTech賞
その他、ものづくり補助金3年連続採択、横浜市トライアル助成等多数の補助金にも採択。
清水 直之(IT担当)
1966年 東京生まれ
1989年 東芝ソフトウェアエンジニアリング株式会社。主にDTP 開発、ワープロ専用機開発、Web サイトで利用するエンジン・データ開発を担当
2001年 ニューソン株式会社。ネットワーク、Linux、プログラミング言語の講師および人材開発室室長兼務
2004年 株式会社駅前探険倶楽部入社。乗り換え案内、乗り換えロジックグループ長
飯沼 寛子(アドバイザー/経営コンサルタント)
1971年 埼玉生まれ
慶応義塾大学卒業
英国3年留学後、外資系企業にてビジネスデベロップメント、マーケティング、営業を中心に活動し、高付加価値製品の拡販に従事
2010年 青山学院大学MBAを修了
近年、外資系化学メーカーで代表取締役を務め、経営立て直し、財務体制のV字回復をはじめ、組織変革および働き方改革を完遂
【その他】
顧問1名、学術アドバイザー多数
詳細はこちらからご覧いただけます。
Mentor -メンターよりメッセージ-
【(公社)臨床心臓病学教育研究会 / 理事長 / 髙階 經和】
1994年、私は心臓病患者シミュレータ「イチロー」(京都科学製)(※)を開発し、当公益社団法人臨床心臓病学教育研究会(JECCS)において、医師、看護師、医学生、医療関係者を対象に、本シミュレータによるベッドサイド診察法の研修会を定期的に行い、今日まで国の内外で大きな反響と、教育効果を挙げてきた。
2019年春、株式会社テレメディカによって開発された聴診アプリは、「イチロー」の様に、ベッドサイド診断をすべて具現できる等身大の心臓病患者シミュレータではないが、聴診に特化して作られた『オースカレイド』(Auscultation aide = Ausculaide)は、聴診技術向上を目指す方々への「助っ人」である。
何時どこでも心音・心雑音の聴診を行うことができる優れた聴診アプリであると言えよう。
この聴診アプリの特徴は、画面一杯に胸部イラストと、聴診所見イラストが表示され、大動脈弁部位、肺動脈弁部位、三尖弁部位、僧帽弁部位に各部位にチェストピースアイコンを移動するだけで、殆ど実際の心音・心雑音と変わらない音声を再現する事が可能である。
『オースカレイド』は正に聴診技術を習得するために開発された「感動の学習法」(Exciting Learning) と呼ぶことが出来よう。
この『オースカレイド』が、医師、看護師、薬剤師の医療関係者だけに限らず、医療関連企業の方々や、広く介護に携わる方々が、多忙な日常勤務の合間に何時、何処でも楽しく学ぶことが出来る友として、ここに推薦する次第である。
(※参考文献:Takashina, T. et al: A New Cardiology Patient Simulator. CARDIOLOGY,88. 408-413, 1997.)
To Investor -投資家様へ-
「聴診」が、医師・患者の間で信頼関係を作る
聴診は昔の診療技術と思われるかもしれませんが、現在でも世界中の医学部で熱心に教育される分野です。それは、画像診断機器だけでは発見が難しい病気を聴診で見つけたり、患者さんと医療従事者との良い関係をつくるために重要だからです。
医療は、これまで病院で受けるサービスでした。
IT時代になり遠隔医療がはじまってきています。
遠隔医療では、CTやエコーは使えませんので、聴診はとても重要なものになると思います。
聴診教育分野でブランドを作りながら遠隔医療に展開してまいります。
ご賛同いただけましたらありがたく思います。