Business -ビジネスについて-
IoT端末と音声技術の開発力を活かし、クルマのデータをリアルタイム解析、音声操作!
私たちはセンサー連携可能なIoTゲートウェイの企画、設計、開発、販売を得意とする会社です。例えば、GPSや加速度・温度センサーなどを活用した移動体管理システム(車両や人に応用)や、モニタリングソリューション(バッテリー量監視、計器のクラウドセンシング等)を提供しています。
また、骨伝導技術を用いたヘッドセットデバイスや、騒音環境下でも、AIが音声認識できる集音技術の開発にも成功しています。これらの製品化により、110dB以上の騒音環境下でも、騒音を消して声だけを伝送し、耳栓をしながらでも会話できる製品を、主にBtoB向けに提供し、好評を頂いています。(下記動画より性能をご確認いただけます)
この商品は内閣府オープンイノベーションチャレンジ2017に採用され、「火災現場等に対応した骨伝導ヘッドセット及びIoT端末の開発」という部分で高く評価されました。(こちら からご確認いただけます)
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この度、これらの技術を融合させ、クルマを取り巻く様々なデータをクラウド上に集約し、アナリティスク解析を可能にした製品を開発しました。クルマを支える企業と共に有益な情報を収集し、多様なテレマティクスサービスを派生させていく新しいAndroidインフラとして、『VOCE-NAVI』を普及させていきたいと考えております。
【 VOCE-NAVIハードの特徴 】複数のセンサーを組合せ、クルマの情報をIoT化
準天頂衛星「みちびき」の高精度位置情報を基準にし、GPSとGLONASS衛星を参照することで、高層ビル街でも誤差サブメートル級の安定した位置情報測位が可能です。また、加速度・ジャイロ・地磁気センサーから得られる情報と、イン&アウトカメラの毎秒ごとのデータを蓄積し、クルマの三次元的な動きを独自の解析ソースでモニタリングできます。
さらに、多様な外部機器との連携性を持ち、『VOCE-NAVI』付属のIOポートから直接、外部センサー拡張が可能な他、LTE、Wi-FiやBluetooth、LPWA通信を使用した無線経由での機器連携が可能なため、クルマに搭載されているOBDⅡという、自動車の心臓部のコンピューターと接続する事も可能です。
これにより、今までアナログ的であった、MtoM通信(machine to machineの略で、機械と機械を繋いでの通信)でしか収集できなかった「車輌の内的な情報」と、集約が困難であった「車両の外的な情報」をクラウドで管理でき、ビックデータとして蓄積することにより、自動車の故障する可能性や、事故発生時の自動車の状態をほぼ、リアルタイムに解析することが可能になりました。
【 VOCE-NAVIソフトの特徴 】AndroidOSと通信端末が搭載されているので機能拡張が可能
『VOCE-NAVI』はOSにAndroidを採用しており、導入企業や個人の求めるコンテンツを自由に追加することが可能です。例えば、
① ドライブレコーダー & 音声ナビアプリケーション
② 音声解析アプリケーション
などを現在、弊社で開発中です。今後、弊社の音声解析技術を活用し、ユーザーの感情解析やインバウンド向け言語翻訳、クルマを声紋認証で制御するといったような技術開発も行ってまいります。
また、弊社で取り扱っているヘッドセット型ウェアラブルデバイスと組合せ、運転中の脈拍、血中酸素濃度、ストレス指数等を測定し、ユーザーの健康状態をチェックしながら、運転に最適な健康状態かを確認できる仕組みも構築していきたいと考えています。
※上記は各種コンテンツとの組み合わせで実現可能なサービスの一例です。
フォルテ創業のきっかけと製品開発力について
動画にまとめましたのでご覧ください。
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Problem -解決したい課題-
車種やメーカーを問わず、クルマの情報を収集する仕組みがなかった
自動車にはOBDⅡという、心臓部とも言えるコンピューター(ECU)を診断できるシステムがあり、そこから、車の様々なデータを確認することができます。しかし、OBDⅡの情報には、各自動車メーカーが独自で必要な情報を盛り込むことができ、車種や年式、型式が違うだけでデータの構造に微細な違いがあり、統一されていませんでした。
また、これらのデータは各自動車メーカーでは細部まで確認できますが、一般の修理工場では一定の情報までしか確認できず、工場に持ち込まないとデータが確認できないことから、事故や故障の際に機能せず、役にたたない事すらあり、非常に取り扱い辛いデータとなっています。
これらの情報に加え、事故発生時の事故地点、スピード、運転席周辺に生じた衝撃、運転者の不注意の有無、相手方の事故時の状況など、車載のコンピューターだけでは取り切れない情報も存在します。
これらの情報を把握するには、リアルタイムでクラウドに情報収集する仕組みが必要であり、クルマのリアルタイム通信化が必要なのです。
▲ OBDⅡはクルマの運転席の足元付近にあります。
Solution -課題解決-
外部デバイスにIoT技術を組込み、クルマがネットと繋がる仕組みをつくる
『VOCE-NAVI』は、スマートフォンを使う以上に高精度かつ安定的に、クルマの情報をクラウドに収集することができます。既に使っている自動車や、中古車、レンタカーなどでも、『VOCE-NAVI』付属のIOポートやWi-Fi、Bluetooth経由でODBⅡへ接続することができます。これにより、
◆車体情報をほぼリアルタイムで解析 → 車体情報解析によるメーカーによる品質向上
◆自動車の故障・事故リスクをシステム通知 → テレマティクス保険への応用
◆事故の際に近辺業者にヘルプを発報 → メンテナンスマーケット集約化
というような様々なサービスを展開できます。『VOCE-NAVI』が集約するデータは広大なサービスの基礎であり、これを活用いただく企業とのパートナーシップを広げていくことで、BtoBはもちろん、BtoCの市場展開も実現が可能です。
また、OSにAndroidを使用することで、オリジナルの追加コンテンツを組み込めるといった、自由度を持たせています。この仕組みを活用し、業務用ナビや、観光地・グルメ推薦(広告)アプリなど、特定用途のための「専用機」として独自化させていくことで、『VOCE-NAVI』を車載するメリットを多角的に広げていきます。『VOCE-NAVI』が広まれば広まるほど、新しい音声メディアとしてさらなる付加価値を拡大できると考えています。
現在、大手自動車メーカー様などと、『VOCE-NAVI』の導入に向けて協議をスタートさせております。
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▲ 実際に車両を管理する画面です。動画でご覧ください。
Product -プロダクト-
ハード面とソフト面に拡張性を持たせたIoTデバイス『VOCE-NAVI』
①サブメートル級のリアルタイム動態管理
準天頂衛星「みちびき」との通信と、9軸センサーを併用することで、誤差1メートル前後の走行履歴記録(地図上プロット)と高精度な車速計算が可能です。トンネルや圏外エリアにおいても、揺らぎの少ない移動経路を記録します。1週間~1ヶ月毎の総運転距離、運転時間帯等のレポートを作成することが可能です。
②9軸センサーとカメラを活用した運転管理
急加速、急減速、急停止、急旋回の4つのイベント管理を行います。さらに、本体付属のイン・アウトカメラで危険運転イベントを検知した時点の、前後30秒間の録画データをLTE通信でサーバーへアップロードします。
普段から危険度の少ない運転をしていることを証明し、ユーザーの信頼形成に貢献し、テレマティクス保険での評価算定に応用が可能です。
③BtoB~Cへの幅広い応用が可能
AndroidをOSに採用したことにより、オリジナル機能の組込みが可能です。例えば、目的地に近づくだけで登録した音声を再生し、運送業や訪問サービス、営業業務等の際に重要伝達事項を音声でリマインドすることができます。
さらに、シェアカーやレンタカー、観光バス、タクシー等にはドラレコ兼、観光ガイド・広告用端末として搭載することで、運用事業者のキャッシュポイントとして利用することができます。
④多言語対応翻訳で広がる世界への拡張
音声ナビ用のテキストコンテンツは、アプリケーション操作で言語切替が行えるため、低コストで多言語対応が簡単です。TTS(text to speech)を搭載しており、日本語の他、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ベトナム語に対応しています。
さらに、STT(Speech to Text)とTTSを併用し、多言語同時通訳が可能です。旅先で会話したい時には、最大で1対100程度のリアルタイム多言語同時通訳が提供できます(※Wi-Fi接続必須)。個人旅行から団体アテンドまで、車から徒歩移動まで、モバイルナビ端末として幅広く活用可能です。
⑤外部センサー連携による拡張サービス
『VOCE-NAVI』のIOセンサーポートから連携できる、外部センサー各種の取得データを、位置情報や加速度情報と並列して、毎秒レベルからクラウド共有が可能となります。さらに、LTE、Wi-Fi、Bluetooth、LPWA通信により、無線での連携も可能になります。この拡張性を使い、弊社が開発している骨伝導ウェアラブルデバイスとも連携が可能で、これにより、騒音環境での音声認識が可能になったり、声紋認証を活用したクルマの制御といった応用も構想しています。
閉域通信にも対応可能で、車以外でも、工場等のセキュアな計器モニタリングでも活用できます。
Market -市場獲得-
テレマティクスサービスや自動車整備関係への参入を目指す
これまでご紹介してきたような特徴・サービス性を活かし、ドラレコ機能を基軸として、自動車販売後のアフターマーケットやテレマティクス保険市場への参入を目指します。
矢野経済研究所の調べによると、2016年の自動車販売後のアフターマーケットの規模が8兆5904億円となっており、その中で総整備(車検・点検含む)売上高は5兆5133億円となっております。
また、テレマティクス自動車保険市場は、2020年までに4000億円程度の市場規模と予想されていますが、日本にまだこのタイプの保険が浸透していないため、今がシェア獲得のチャンスだと考えています。(株式会社データリソース調べ)
さらに、タクシーやデマンドバス、カーシェアへの導入を進め、車両の位置管理や、乗車希望者を通知することで、利益に直結する投資対効果のある製品として認知を広げ、タクシー業界市場1.5兆円への参入も行ってまいりたいと考えております。(矢野経済研究所レポートより自社算出)
8.59兆円/年
自動車アフターマーケット市場規模
4,000億円/年
テレマティクス保険市場規模
1.5兆円/年
タクシー業界市場規模
Advantages -優位性-
個人や企業の「信用」をデザインする
私たちは、「クルマを運転する」という行動の解析から、人や企業の信用をデザインすることに繋げられないかと考えています。
個人であれば、日頃から危険運転が少ないか、長距離運転するようなアクティブなタイプか、常に新しい場所に冒険に出かけるタイプか、といった様な情報に注目しています。企業では営業マンの累積走行距離に対して売上がどれくらいか、などといった事にも「クルマを運転する」行動の解析が役に立ちます。
こうした情報を元に、企業の就職マッチングなどに活用できるのではないかと考えています。アクティブに、新しい場所に出かける人はクリエイティブ思考が強いと判断し、イノベーションに意欲的な企業とマッチングするのではないかとか、年間売上や事業概要だけだと会社のキャラクターが分からないけど、営業マン一人あたりの年間移動距離と売上との対比データを公開することで、会社の効率性やビジネス姿勢を見ることができるのではないかなど、様々な活用シーンが想定できます。
使い方次第で、個人であれば優良顧客と判断できるユーザーに何らかの優待クーポンを提供したり、企業であれば融資や借入実行時の信用判断を効率的に行ったりと、様々な展開が期待できると考えています。
なぜ、他社や通常のナビやドラレコにはVOCE-NAVIの仕組みができないのか
ECU・通信・IoT/M2Mデバイス、これらの技術を網羅的に理解できる企業はとても希少です。幸運なことに、弊社はこれまでの製品研究から当該分野への理解とものづくりの経験があります。
また、現存するクラウド型ドライブレコーダーの半数以上が韓国・中国・カナダ等のメーカーに依存したOEM製品であり、日本のクルマと連携を広げていく上で細かなカスタマイズに対応しきれないことが予想されます。
加えて、本市場はここ2年程度でブランド確立できるかどうかの「早い者勝ち市場」であるとも考えています。ECU側を担当する国内外の自動車メーカーは既に動き出していますが、IoT/M2Mの情報出入り口を担当するデバイス開発は遅々として進んでいません。それは、国内製品は単価が高く、海外製品はカスタマイズが容易でないという課題構造の中で動きが止まりつつある結果だと感じています。
これを打開するためには、ファームウェアや通信制御等のソフト開発を弊社にて内製化し、ハード製造は海外でファブレス化し、安価に量産できるようなイノベーションが必要だと考えています。
現行製品の基本設計及び、ソフト開発を国内で行ない、ハード試作と量産を中国で行ってきた弊社には、本市場で「早い者勝ち」するための強力なアドバンテージがあると考えています。
▲ 今後、遠隔でクルマの状態を診断できるようなサービスとの連携を図りたいと考えています。
車への標準装備の可能性による、広がる市場性
自動車メーカーが求め、世界に存在しない製品を企画しているため、安定稼働に成功し、ブランド形成が確立できれば、国内外を問わず様々なクルマに実装する未来が得られると強くイメージしています。また、現在、大手自動車メーカー様などとも、協業をスタートさせています。
Milestone -マイルストーン-
下の表は現時点において今後の経営が事業計画通りに進展した場合のスケジュールです。そのため、今回の資金調達の可否、調達金額によって、スケジュールは変更となる場合がございますので、予めご了承ください。
売上高は事業計画を前提としており、発行者の予想であるため、将来の株価及びIPO等を保証するものではありません。
また、上記のサービス追加は、今回の資金調達に伴って行われるものではなく、今後、新たな資金調達を行うことによる追加を計画しているものです。なお、新たな資金調達の方法は現時点において未定です。
Trigger -きっかけ-
イノベーションの可能性に大きくチャレンジできる文化をつくりたい
前職のNTTにおいて、iPhoneが発表される2年前に国のユビキタス実証実験のフィールドマネージャーとして、現在のスマホのようなコンテンツサービスがない中で「モバイル端末化したパソコン」の実装に挑戦しましたが、実現できませんでした。このとき、所属企業には新たなイノベーションの可能性に大きな投資をする文化はなく、「このまま大企業に所属していてはイノベーションを創出できない」と痛感しました。
一方で、当時台頭したアップル社が成功した理由を、「自社単独で技術開発、マーケティング、サービス開発、投資判断できること」と分析し、自身のアイデアを世に送り出す一番の近道として起業を決断しました。
また、当時注目したのが「人が移動する際も快適に使えるデバイス」であり、体力のない高齢者でも利用でき、既に世界中に普及していて、健康促進・環境負荷低減・経済的等の付加価値があるという利点から電動アシスト自転車と自転車専用ナビ端末(ナビチャリ)に辿り着きました。
さらに、ナビチャリのユーザーから「自転車に乗りながらコミュニケーションを取りたい」という要望を受けて骨伝導技術に着目し、騒音に強い通話支援デバイスとして自転車愛好家向けから作業員・日常利用向けへ発展しました。
葛西 純 (代表取締役)
東日本電信電話株式会社を経て、2011年に有限会社forte取締役社長就任。IoT製品の先駆けとして、自転車×インターネットをテーマとした『ナビチャリ』をリリース。
以降、リアルタイムな位置情報測位に特化したIoT端末開発に取り組み、「FBシリーズ」を研究開発。移動中に安全に使用できる音声通話用アクセサリとして、「VOCE-rableシリーズ」を開発。モバイル通信、センサーモニタリング、位置情報測位、骨伝導等が主要な技術研究領域。
総務省地域情報化アドバイザ、ICT地域マネージャーを兼務し、ICTを用いた地域の課題解決を図れるソリューション創出を目指す。
2016年1月、有限会社forteを株式会社フォルテに変更し、代表取締役就任。
太田 昭彦 (マネージャー)
株式会社エーエムエス、株式会社エムス木造に勤務。工場のライン管理経験を積む。SMT生産ライン、IT事業部、デバイス事業部等の新規事業部を立ち上げを経験し、工場長として工程管理を経験。2003年、 広東省広州市へ中国工場「毅睦思有限公司」を立ち上げ、代表取締役就任。従業員規模2000名を達成し、大規模なものづくり案件管理を経験する。
2008年 日系企業へのコンサルティング「富士産経投資管有限公司」へ出向し、顧問就任
2009年 富士産経投資管理有限公司の出資関連会社(徳韮科技有限公司)に副社長として就任し業績回復を成し遂げる
2012年 有限会社フォルテにジョイント
2016年 株式会社フォルテ取締役就任
土井 淳史 (CFO)
元大和証券株式会社所属。電子楽器メーカー「ホクセイ電機株式会社」に転職し、専務取締役として主に財務・総務を担う。以後、財務、営業、調達、経営部門を歴任。
1992年 ホクセイ電機株式会社親会社、日本ライツ株式会社(親会社)に転籍。管理本部長、社長室長、営業本部長、調達本部長/子会社社長歴任。同社にてIPO準備を経験。
2009年 武藤工業株式会社に転籍。1部上場MUTOHホールディングスの中心事業会社で財務を主とした管理業務に従事。同子会社、株式会社ムトーエンジニアリング転籍後管理部長を担当
2017年 株式会社フォルテにジョイント
佐々木 正人 (岩手・東京支店長)
岩手県立大学総合政策学部卒。
インターンシップ等人材育成事業、着地型観光、イベント企画、媒体制作等を経て、コミュニティビジネスのコンサルティング会社を設立。岩手大学にて、JST科学技術コミュニケーション事業コーディネーター、イノベーション対話研究事業を兼務。
2016年 株式会社フォルテにジョイント
Message -いわぎん事業創造キャピタル株式会社より-
代表取締役社長 稲垣 秀悦
フォルテ様は、大学との共同研究により開発を進めた自転車用多言語音声ガイドナビ端末「ナビチャリ」などのIoT機器の開発製造に取組んでおり、岩手県とつながりの深いベンチャー企業として、平成28年3月に出資をいたしました。
あらゆるものがインターネットにつながるIoTの普及が見込まれている中、フォルテ様の持つ車両等の移動体管理システムや、骨伝導技術と衛星利用測位システム(GPS)を活用した自転車観光案内システムが全国に普及し、フォルテ様の事業が成長するとともに、地域活性化にも大いに貢献されますよう期待しております。