米国、新型コロナの影響を受けて、株式投資型クラウドファンディングの規制を一部緩和/馬渕 磨理子
2020年6月16日 コンテンツ◆アメリカのECF(株式投資型クラウドファンディング)の2020年5月の動向
米国のECF市場の5月の最新情報がKingscrowdより公開されました。2020年5月には前月比19%増の15,552,389ドル(約17.1億円)の資金調達が行われ、また、案件数では前月比34%増の67案件となっております。新型コロナウィルスの影響により、株式投資型クラウドファンディングにおける資金調達額が増加していることが伺えます。
米国の株式投資型クラウドファンディングのプラットホーム大手2社である、WefunderとStartEngineが特に堅調です。StartEngineのCEOであるハワードマークスは「中小企業がこの困難な時期に助けを必要としていることは明らか」と危機の時期における、株式投資型クラウドファンディングの重要性を述べています。
◆SEC、株式投資型クラウドファンディングの規制を一部緩和
新型コロナの影響を受けている企業にとって、迅速な資金調達が必要となっている状況をうけて、米国では、SECの規制緩和が行われています。
中小企業が自社株を売却することで、資金をより早く調達することを容易にしました。SECは、中小企業の所有者が12か月以内に10万7千ドルから2万5千ドルの有価証券を売却した場合、財務諸表の独立した監査を受ける必要を一時的に免除することを決定しています。さらに、時限的な緩和ではありますが、わずか3日間で資金調達が開始可能となっており、株式投資型クラウドファンディングにおいて、調達した資金を使用できるようになるまでの21日間の待機期間もなくしています。
※1ドル=110円とする。
参考)https://www.kingscrowd.com/category/funding-reports/
「SECがCovid-19危機において、中小企業の株式売却による資金調達の規則を緩和」
「SECによるクラウドファンディング規制への一時的な緩和について」