〜日本で初めて株式投資型クラウドファンディングで資金調達をしたBank Invoice手島社長の想い〜『株主は自社の資産であり賛同者』
こんにちは、日本クラウドキャピタルのアナリスト馬渕磨理子です。
『社長インタビュー』を通して、「FUNDINNO(ファンディーノ)」で資金調達した企業にお話を伺います。
今回は、Bank Invoice株式会社の手島社長にお話を伺いました。
同社は『FUNDINNO(ファンディーノ)』において2017年5月16日に87名の投資家から1,460万円、続いて2017年12月26日に307名の投資家から5,975万円の資金調達を行いました。
2回の資金調達により、384人(延べ人数)から、合計で7,435万円の資金調達を行っています。
現在の事業の進捗状況や今後の展開など、投資家の方々が気になる情報をお聞きしました。
国内初となる株式投資型クラウドファンディングを成功させた企業がIPOを目指す
日本で第1号となる第一種少額電子募集取扱業の登録承認を受けた日本クラウドキャピタルが運営する『FUNDINNO(ファンディーノ)』での最初の案件がBank Invoice株式会社です。
同社は請求書原本そのものを電子化して共有するソフトを開発しています。同社のソフト導入により、経理業務の95%を削減できる可能性があります。
同社は、『FUNDINNO(ファンディーノ)』を通じて、第1回の資金調達後、システムのリリースを完了し、計画通りに事業が進んだ背景から、早期に第2回の資金調達を行っています。
手島社長は、資金調達の方法が多様化することで、ベンチャー企業の資金調達環境が少しずつ改善されている状況を実感しつつ、『クラウドファンディングでの資金調達の方法に意義を感じている』とのことです。
中でも、『株式投資型クラウドファンディングによる資金調達において、日本で最初の事例である同社がIPOを目指す』ことに、自社の存在意義を強く意識されています。
第2回の資金調達により人材確保が進む
第2回の資金調達にて、営業のフェーズに入った同社は現在、営業の人材確保とともにエンジニアの採用も進めています。
事業計画では、資金調達後の営業人件費は210万円、エンジニア人件費を174万円としています。2017年12月26日に資金調達後、約2カ月半の間に、営業の人件費は60~80万円、エンジニア人件費160万円となっています。
今後も順調に人材獲得を進めたいとのことです。
アレンジ力のあるシステム開発により大手3社の導入を決める
第1回の資金調達によりシステムをリリース後、営業活動の中で、それぞれの会社の要望に応えられるシステム開発をしているようです。
既存のシステムからカスタマイズニーズに合わせてアレンジし、「クラウド型で安く」をシステム開発の方針としています。そのアレンジ力により、大企業であっても導入しやすい状況になっています。
例えば、PDFの部分だけを変更し、システム自体は変更しない方法を取ることで導入が早く進んだり、運用管理も簡単にしたりしています。 この形態を採用することで、大企業でスモールスタートから始めることができるため、後々本格導入に繋がりやすい環境になっていると言えます。
即時に何万人の利用者が出たとしても、約2週間程度でのシステム導入が可能なスピード感は大手に好感のようです。実際、人材派遣の大手を含めて3社の導入実績を積んでいます。
トップ営業により突破口を開く
事業計画の中に、営業代理店開発がありますが、こちらは、今後、代理店開発のパッケージ化を進めてくなかで、対象が中小企業となった段階での展開予定です。現在はトップ営業を皮切りに、『突破口を開き実績を作っている段階』です。
現在の営業スタイルを1年程でマニュアルに落とし込んでいく予定であり、その段階になると更に、売上を伸ばすことが期待できそうです。
請求書データから会計・決済機能の追加予定
請求書のデータが蓄積されることから、数年以内にBtoB決済をより早く、安く、正確に行う『会計・決済機能』の追加を予定しています。これにより、受金側で入金額の内訳データの明細レベルまで把握できるようになるようです。
そのほか、2019年に向けて、多言語化・多通貨対応にも着手されているようです。
海外からのサーバアクセスにはセキュリティーリスクが高く、自前のネットワークを持たないとセキュリティー対策ができないため、現在は、システムも含めて検討段階に入っているとのことです。
また、海外の知的財産の取得は進んでおり、特許申請は2件増加し11件となっており、海外の商標取得も進めています。
これらのノウハウを生かして、上場を果たした際は、与信管理事業を展開する予定です。
株式投資型クラウドファンディングをきっかけに認知度が高まる
クラウドファンディングでの資金調達により開発資金ができ、システムの精度を高めることができただけではなく、『知名度が上がった』ことが同社にとってメリットが大きかったと感じているようです。
『日本で初めて株式投資型クラウドファンディング』で資金調達したという話題から、営業の際にも関心を持つ企業もあるようです。
これから株式投資型クラウドファンディングを活用される経営者の方々へ
『株式投資型のクラウドファンディングで募る投資家は、理想的な株主だと思っています。
そもそもの、株式投資とは「応援企業の株を購入」するというのが本来の姿です。株式投資型のクラウドファンディングにより、上場前から自分の会社の賛同者であり応援者と出会えたことに感動しています。
会社を立ち上げた時は、創業メンバーの数人しか自分のビジネスモデルの賛同者はいない状況でした。「FUNDINNO(ファンディーノ)」で資金調達をしたことにより、現在は400名近い株主が支援者として見守ってくれています。
応援してくれる仲間ができたのです。株主の皆様に還元したいという思いも強く、エンジェル税制を申請し適用を受けています。
そして今、自分ができることは、トップ営業として『突破口を開く』ことです。これにより、大手導入の実績を積み重ねていくことだと思っています。
また、株主の皆さまに事業経過の報告を行い、コミュニケーションを深めていきたいと思っています。応援者である株主の存在により、「どんな状況でも実績は自分が作る」という強い思いをサポートしてくれます。』
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※本レポートは対象となる企業の取材を通じて、情報提供を受けていますが本レポートに含まれる仮説や結論、その他すべてはアナリストの見解になります。また、本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資その他の行為を勧誘するものではありません。企業の発行する有価証券の価値を保証または承認するものではありません。
(日本クラウドキャピタル アナリスト 馬渕磨理子 )
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