第18号案件 株式会社クラウド漁業 右田代表 〜漁業にイノベーションを〜
こんにちは、日本クラウドキャピタルのアナリスト馬渕磨理子です。
『社長インタビュー』を通して、「FUNDINNO(ファンディーノ)」で資金調達した企業にお話を伺います。
今回は、クラウド漁業右田孝宣社長 生産から消費までを一気通貫する漁業版SPA(製造小売業態)を目指しておられる企業です。
ビジネスモデルをお話されている時、「ふふ」と笑われる姿が、本当に楽しそうで、インタビューアーの私も引き込まれてしまう雰囲気の右田社長でした。
株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」では、インターネットで、『小口投資』をできるプラットフォームです。わずか14分で213人の投資家から約3800万円の投資が集まりました。
クラウド漁業のビジネスモデルについて
―― 右田社長は、メディアでの露出が多く、先週もテレビをつけたら小浜での取材が流れていましたね。
右田
「ありがとうございます。僕の場合、『世の中の困り事を解決したい』という思いが強く、サバによって、漁業の抱える社会的課題を解決できればと強く思っています。
それで、今、実現しようとしているのが、養殖から飲食までの一気通貫の『 漁業版のユニクロ』なんです。」
―― 「株式会社クラウド漁業」のグループ企業である「株式会社鯖や」がJR西日本と生で食べられる「お嬢サバ」における連携、KDDI株式会社とは小浜市の事業で共に研究プロジェクトを進め、株式会社神明との資本業務提携から、新会社設立と、業務提携のスピードには驚きを隠せません。今後もこのような業務提携の予定はあるのでしょうか?
右田
「ありがたいことに、業務提携などの協力体制が進んでいます。
我々は漁業にイノベーションを作っていく事を掲げています。混合養殖は水族館でしか例がなく、複数のエサを複数の時間に分けて与えています。なので、共喰いがないのですが、そこには人件費が非常にかかっています。
それを混合養殖にしていく事には難しさがありますが、我々が実現化することに意味があると思っています。
治験や経験のある企業の意見を伺いながら、その技術・ノウハウを継承することの方がアクセラレートすると考えています。なので、僕らのビジネスに共感いただいく企業様とはどんどん業務提携を進めていく事を考えています。」
―― ビジネスモデルの部分を詳しく教えて下さい。クラウド漁業のビジネスモデルは、5つの柱ですね。
右田
「はい、1つ目が、エサの研究です。値段の付かない未利用魚を利用した低価格のエサの開発をしています。福井県立大学などと連携し、エサの開発により、養殖コストを抑えることができます。
2つ目が、IOT事業、育成モデルの開発です。2017年11月に、福井県小浜市、KDDI株式会社、小浜市漁業協同組合、福井県立大学と共同でプロジェクトを開始しています。
総務省の「情報通信技術利活用事業費補助金 (地域IoT実装推進事業)」に「『鯖、復活』養殖効率化プロジェクト」として採択され、公募によって、クラウド漁業とKDDIらが受託者として決定しています。
3つ目が、混合養殖です。水族館のように同じ いけすで異なる魚種を養殖する「混合養殖」を目指しています。日本でも、「混合養殖」は例がなく、そこにチャレンジしています。
4つ目が、地域活性のプロデュース、5つ目が、飲食店の開発です。」
―― ファンディーノで資金調達された際の事業モデルはエサの研究・IOT事業・飲食店の開発でしたね。
右田
「そうです。エサの事業とIOTを使ってエサを自動でまく装置の開発を小浜でスタートさせながら、飲食店開発を行うという事業計画です。
飲食店の部分では、『漁師の串』が5月末に大阪の裏天満でオープン予定です。感度の高い地域です。
当面は小浜から直送で、水揚げされた魚や未使用の魚を店舗で出します。養殖は、育てるのに1年かかるので、僕らが育てたものだけが店舗で食べれるようになるには1年後となります。
自分達で作ったものを出口として出すのと、捨てられている魚を再利用して、出口として出していく事を店舗で実現します。」
これは質問同士の間にマージンを入れるための空ブロックです。
FUNDINNOで資金調達した際の事業計画や資金使途について
―― 御社だけで完結するのは1年程で、できるのですか!イメージより早いです。その、店舗「漁師の串」出店費用はFUNDINNOで資金調達された500万円を利用されるとのことでしたが。
右田
「「漁師の串」の出店は、当初の予定500万円でしたが、居抜物件がなく、約1000万円になるとの見通しです。今後、この1号店にとどまらず、2019年には10店舗まで展開する予定です。
我々はサバ料理専門店「SABAR」を1年間で9店舗開店している実績があり、開店から運営には自信があります。」
計画前倒しのドローンいけすについて
―― 計画ではエサの販売や、自動給餌(キュウジ)ドローン船の いけす の開発の方はいかがでしょうか?
右田
「小浜で販売しており、売上も立ってきています。また、自動給餌(キュウジ)ドローン船の いけす ではエサを自動でまく仕組みを開発中です。
計画では、2018年はいけす開発の予定はなかったのですが、計画前倒しで、5月以降に着手します。2019年には、20 いけす の計画を予定しています。」
これは質問同士の間にマージンを入れるための空ブロックです。
FUNDINNOを利用して良かった点
右田
「多くの投資家から、資金調達ができたことや、企業価値の算定をしていただいたことがとてもありがたかった。KPIも立てて、進めることができるのでビジネスを前に進めやすくなりました。
また、ビジネスシーンで企業価値・事業計画に基づいたプレゼンができるようになりました。
そのため、業務提携や協力してくださる企業様も増えて、本当に感謝しています。応援してくださる投資家の皆さまのおかげだと思っています。」
右田社長によりますと、投資家の皆さまには、『大きくは計画がズレないようにします。計画を前倒しできるように、全力で頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします!』とのことです。
クラウド漁業のターニングポイントはいつかと聞かれたら、それは、FUNDINNOさんとの出逢いですよ。との言葉をいただき、感動してしまいました。
※本レポートは対象となる企業の取材を通じて、情報提供を受けていますが本レポートに含まれる仮説や結論、その他すべてはアナリストの見解になります。また、本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資その他の行為を勧誘するものではありません。企業の発行する有価証券の価値を保証または承認するものではありません。
(日本クラウドキャピタル アナリスト 馬渕磨理子 )
株式会社日本クラウドキャピタル
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