優遇措置A(エンジェル税制タイプA)について
エンジェル税制を活用し、税制上の優遇措置を受けることにより節税ができます。
なかでも、優遇措置Aは「個人にかかる所得税」を軽減することができます。
本ページでは「投資した際に受けられる優遇措置A」について解説します。
簡単に概要を理解されたい方は、ぜひ動画をご覧ください。
投資した際に受けられる優遇措置
優遇措置Aは、投資先が設立5年未満のベンチャー企業へ投資した場合に対象となり、「投資額-2000円」を総所得金額等から控除することが出来ます。
なお、控除金額には上限があるのでご注意ください。
| 優遇措置 | 投資額-2,000円をその年の総所得金額等から控除 |
|---|---|
| 対象となる企業 | 設立5年未満のベンチャー企業 |
| 控除上限 | ・総所得金額等×40% ・800万円 いずれか低い金額 ※上記いずれか低い額から2,000円引いたものが控除の年間上限額 |
エンジェル税制優遇措置Aでは総所得金額等が重要なことが分かります。
「総所得金額等とは何か?自分の総所得金額等はどこで確認できるのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるとおもいますので説明します。
総所得金額等とは
次の①と②の合計額に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額です。
※ 申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長(短)期譲渡所得については特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。
① 事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)
② 総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額
ただし、次の繰越控除を受けている場合は、その適用後の金額をいいます。
- 純損失や雑損失の繰越控除
- 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
- 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
- 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
- 特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除
- 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除
※上記URLから遷移するサイトはFUNDINNOが作成したサイトではございません。
自分の「総所得金額等」はいくらなのか?
総所得金額等を確認できる書類が2種類あります。
状況によってどの書類を確認すべきかは異なりますのでご注意ください。
【確定申告書】
- 所得税の確定申告を行っている方
【(1)と(2)の合計額】

【源泉徴収票】
- 所得が1事業者からの給与所得のみの方
- 確定申告を行わず、年末調整のみの方

総所得金額がわかりましたので、次は、総所得金額別でエンジェル税制優遇措置Aが使用できるベンチャー企業に投資した場合、どのぐらい節税できるのか具体例を確認しましょう。
具体例
総所得金額別で例を見てみましょう。
| パターン1 | パターン2 | パターン3 | |
|---|---|---|---|
| 総所得金額 | 600万円 | 900万円 | 1,800万円 |
| 年間ベンチャー投資額 | 30万円 | 100万円 | 500万円 |
| 【エンジェル税制適用なし】納税額 | 約66万円 | 約133万円 | 約431万円 |
| 【エンジェル税制適用あり】納税額 | 約60万円 | 約110万円 | 約262万円 |
| 節税効果 | 約6万円 | 約23万円 | 約169万円 |
※所得控除は基礎控除のみで、その他控除については考慮しておりません。
CHECK POINT
総所得金額が高い人ほど節税効果が高いことがわかります。
優遇措置Aは、いかに所得税率を下げるかがポイントになります。
いったい、どういうことなのでしょうか?
・・・その前に、「税金の仕組み」をご説明します。
エンジェル税制の節税の効果を知るための基礎的な知識ですので、確認しましょう。
基本的な考え方は以下の画像のようになります。

会社員の場合はどうこの控除が適用されるか確認しましょう。勤務先から給与を受け取ったとき、その給与全てが課税の対象となるわけではありません。

会社員の場合はまず、給与を受け取った人は給与を得るためにかかった経費として給与所得控除を給与収入から一定額を引くことができます。
その後、各種所得控除を引いて算出されたものが課税所得と呼ばれる課税の対象となる所得です。これに税率を掛けて所得税額が算出されます。
つまり、所得控除によって課税所得を減らすことで節税につながるということになります。
エンジェル税制の優遇措置Aは所得控除にあたります。
この控除を利用して投資をしながら実質的に納める税金を減らすことができます。
また、かかる税率は所得金額によって高くなります。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
| 1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
※上記URLから遷移するサイトはFUNDINNOが作成したサイトではございません。
優遇措置Aの総所得金額が高い人ほど節税効果が高い理由は、控除を利用することで「課税所得」が減り、税率が下がるためということになります。
いろいろと解説をしましたが、実際に自身の状況に当てはめて計算するのは大変ですよね。
そんな時は、エンジェル税制税負担軽減シミュレーターを活用ください!
いくら節税できるかを知る
優遇措置Aについて解説している動画もございますのでご覧ください。
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