エンジェル税制を活用し、税制上の優遇措置を受けることにより節税ができます。しかし、優遇措置を受けるためには確定申告をする必要があります。
「難しそう」と思われがちな手続きですが、流れを整理すれば複雑ではありません。 本ページでは、投資時の優遇措置を受ける際の確定申告の全体像と手順を解説します。
こんな方におすすめ
- どのような手続きをしたらよいかわからない
- 確定申告は行っているが、エンジェル税制の確定申告は初めて
- 確定申告は税理士さんに任せているが、どのような情報を共有したらよいかわからない
1. [動画でわかる] 確定申告の概要
まずは全体のイメージをつかみたい方向けに、解説動画をご用意しました。
簡単に概要を理解されたい方は、ぜひ動画をご覧ください。
2. エンジェル税制 申告のスケジュールと流れ
エンジェル税制の優遇措置を受けるには、投資した翌年(※)の確定申告期間内に手続きを行う必要があります。
※繰戻し還付制度の適用を受ける場合は、この限りではありません。
普段は年末調整のみで済ませている会社員の方であっても、本制度の適用を受けるためにはご自身での確定申告が必須となりますので、あらかじめご留意ください。
申告手順は4ステップあります。
- STEP1:必要書類の準備
- STEP2:適用される優遇措置を確認(AまたはBまたはプレシード・シード特例)
- STEP3:申告書の作成・入力
- STEP4:提出(e-Tax利用時の注意点)
STEP1:必要書類の準備
まずは、エンジェル税制の適用申請に必要な書類を準備します。
以下の5つの書類は、FUNDINNOの投資家マイページより一括でダウンロードが可能です。
(投資した翌年の1月〜2月上旬を目処に、投資家マイページにアップロードいたします。)
- 確認書
- 個人が一定の株主に該当しないことを確認した書類
- 株式異動状況明細書
- 投資契約書の写し
- エンジェル税制の経済産業大臣認定書の写し
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書類ダウンロードの方法:パターン1
投資家マイページの「書類を一括ダウンロード」ボタンをクリックし書類をダウンロードください。その年のエンジェル税制における確定申告に必要な書類を一括でダウンロードできます。なお、ダウンロードした書類一式はFUNDINNOにご登録いただいているメールアドレス宛に届きます。

この他、ご自身の申告内容に合わせて必要な書類(源泉徴収票やマイナンバーカード等)は別途ご用意ください。
STEP2:優遇措置のタイプを確認
作成する申告書の種類は、各優遇措置(優遇措置A 、 優遇措置Bまたはプレシード・シード特例)によって異なります。 STEP1でダウンロードした書類のうち「①確認書」をご覧いただき、どの行にチェック(〇)が入っているかをご確認ください。

- 一番上の行にチェックがある場合 ⇒「優遇措置B」の申請ができます。
- 中段の行にチェックがある場合 ⇒「プレシード・シード特例」の申請ができます。
- 一番下の行にチェックがある場合 ⇒「優遇措置A」の申請ができます。
※複数の行にチェックが入っている場合は、ご自身の所得状況に合わせて、どちらか有利な方を選択することができます。
STEP3:申告書の作成・入力
ここからはタイプ別に解説します。
国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」や、手書き用の用紙をご準備ください。
国税庁ホームページ
-
優遇措置Aの申告書を作成する
優遇措置Aの適用を受ける場合、以下の3種類の書類を作成する必要があります。
- 特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
- 特定新規中小企業が発行した株式の取得に要した金額の寄付金控除額の計算明細書
- 株式の異動明細書
●特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
| 書類名 |
特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書 |
| 書類ダウンロード |
国税庁ホームページ |
| 必要枚数 |
申請される企業1社に対して1枚 (例)3社のベンチャー企業に投資をして、エンジェル税制の優遇措置を受けようとする場合、3枚分の書類の作成が必要となります。 |
STEP1でダウンロードいただいた「③株式異動状況明細書」をご確認の上、作成ください。
1株5万円で2株(計10万円)投資した場合の記載方法は、以下の通りです。


●特定新規中小企業が発行した株式の取得に要した金額の寄付金控除額の計算明細書
| 書類名 |
特定新規中小企業が発行した株式の取得に要した金額の寄付金控除額の計算明細書 |
| 書類ダウンロード |
国税庁ホームページ |
| 必要枚数 |
申請される企業3社に対して1枚 (例)4社のベンチャー企業に投資をして、エンジェル税制の優遇措置を受けようとする場合、2枚の書類の作成が必要となります。 |
「特定新規中小企業が発行した株式の取得に要した金額の寄付金控除額の計算明細書」は、通常「①適用対象額」から記載しますが、複数社に投資をしている場合は、「⑪適用対象額」から記載を行います。
優遇措置A対象企業の株式を2社×10万円(計20万円)投資した場合の記載方法は、以下の通りです。



●株式の異動明細書
| 書類名 |
株式の異動明細書 |
| 書類ダウンロード |
国税庁ホームページ |
| 必要枚数 |
申請される企業1社に対して1枚 (例)3社のベンチャー企業に投資をして、エンジェル税制の優遇措置を受けようとする場合、3枚分の書類の作成が必要となります。 |
STEP1でダウンロードいただいた「③株式異動状況明細書」をご確認の上、作成ください。
1株5万円で2株(計10万円)投資した場合の記載方法は、以下の通りです。


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優遇措置B or プレシード・シード特例の申告書を作成する
優遇措置Bもしくはプレシード・シード特例の適用を受ける場合、以下の2種類の書類を作成する必要があります。
- 特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
- 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
また、優遇措置B(またはプレシード・シード特例)を適用する企業に2社以上投資した場合、「特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額等の控除の明細書(付表)」の作成も必要です。
●特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
| 書類名 |
特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書 |
| 書類ダウンロード |
国税庁ホームページ |
| 必要枚数 |
申請される企業1社に対して1枚 (例)3社のベンチャー企業に投資をして、エンジェル税制の優遇措置を受けようとする場合、3枚分の書類の作成が必要となります。 |
STEP1でダウンロードいただいた「③株式異動状況明細書」をご確認の上、作成ください。
1株5万円で2株(計10万円)投資した場合の記載方法は、以下の通りです。


●株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
| 書類名 |
株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書 |
| 書類ダウンロード |
国税庁ホームページ |
| 必要枚数 |
申請される企業の数に関わらず1枚 |
「特定新規中小企業が発行した株式の取得に要した金額の寄付金控除額の計算明細書」を作成する際は、第2面(内訳)から記載し、その結果を第1面(表紙)へ転記する手順で作成してください。
詳細な記入方法は、国税庁の公式ガイド(記入の手引き)をご参照ください。
記入の手引きPDF (国税庁)
⑩欄の金額は、「特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額等の控除の明細書」で計算した金額に基づき、「一般株式等」、「上場株式等」の順に、⑨欄の金額を限度として記載します。
優遇措置Bの企業を2社×10万円(計20万円)投資した場合の記載方法は、以下の通りです。


●特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額等の控除の明細書(付表)
| 書類名 |
特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額等の控除の明細書(付表) |
| 書類ダウンロード |
国税庁ホームページ |
| 必要な場合 |
優遇措置B(またはプレシード・シード特例)を適用する企業に2社以上投資し、かつ以下の条件に当てはまる場合
・「優遇措置B」 + 「優遇措置B」
・「優遇措置B」 + 「プレシード・シード特例」
※優遇措置Bまたはプレシード・シード特例の適用企業に1社しか投資をしていない場合、投資先がすべてプレシード・シード特例の適用企業の場合には、付表の作成は不要です。
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| 必要枚数 |
申請される企業4社に対して1枚 ※優遇措置Bとプレシード・シード特例の企業にそれぞれ3社以上に投資している場合、各申請書には2社までしか記載できないため、追加の付表が必要となります。 |
既に作成している「特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書」と「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を基に作成します。
表中左側の「控除対象特定株式」欄に優遇措置Bの内容を、右側の「特例控除対象特定株式」欄にプレシード・シード特例の内容を記載します。
※付表下部の「2 「措置法第37条の13の2第1項」の規定の適用を受ける場合」は、起業特例(会社設立時の出資)を利用する際に記載するため、FUNDINNOでのご投資の際には記載は不要です。
優遇措置Bの企業を1社×10万円、プレシード・シード特例の企業を1社×10万円(計20万円)投資した場合の記載方法は、以下の通りです。


STEP4:提出(e-Tax利用時の注意点)
作成した申告書と添付書類を税務署へ提出します。
提出方法は「e-Tax(電子申告)」、「郵送」、「税務署へ持参」の3通りです。
なお、e-Taxによる提出の場合、「申告データの送信」だけでは手続きは完了しません。 STEP1で用意したエンジェル税制に関する添付書類(確認書、契約書写し等)は、e-Taxで送信できないため、別途郵送が必要です。
- スマホ・PCで申告データを送信する。
- 送信後に表示される「申告書等送信票」を印刷する。
- 添付書類(確認書・契約書写し等)と送付書を封筒に入れ、管轄の税務署へ郵送する。
※添付書類の提出がない場合、控除が認められない可能性がありますのでご注意ください。
タイプ別にe-Taxによる申告データの送信方法を解説します。
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優遇措置Aの申告データを送信する
1. 確定申告書作成コーナーの「②収入等入力」画面右下の「次へ」を選択します。

2. 画面下の「ふるさと納税などの寄附をした方」下の「寄附金控除・政党等寄附金等特別控除」を選択します。

3. 「特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例(エンジェル税制)の適用を受ける方はこちら」を選択するとプルダウンが開くので、「+入力する」を選択します。

4. STEP1でダウンロードした「③株式異動状況明細書」を確認の上、内容を入力します。


5. 入力内容の確認画面下に、2000円控除の内訳の入力という項目があります。申告する銘柄が1件の場合は2,000円、複数ある場合は合計が2,000円となるように入力してください。

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優遇措置B(及びプレシード・シード特例)の申告データを送信する
1. 確定申告書作成コーナーの「②収入等入力」画面から、「株式を売った方、配当等を受け取った方」下の「金融・証券税制」を選択します。

2. 画面の案内に従い、「次へ」を選択します。

3. ご自身のご状況に合わせた項目を選択し、「特定投資株式の取得金額控除等の適用がある」を選択します。

4. 「特定投資株式の取得金額控除等の入力の一覧」にて「+入力する」を選択し、STEP1でダウンロードした「③株式異動状況明細書」を確認の上、内容を入力します。※株式の譲渡所得等が未入力の場合、入力ができません。


繰り返しになりますが、e-Taxによる提出の場合、「申告データの送信」だけでは手続きは完了しません。 STEP1で用意したエンジェル税制に関する添付書類(確認書、契約書写し等)は、e-Taxで送信できないため、別途郵送が必要です。
みなさん、いかがでしょうか?
最後に、エンジェル税制の優遇措置を受けるには投資した翌年の確定申告の期間中に申告をする必要があります。
余裕をもって準備しましょう。
ご注意
- 本記載方法のご案内を参考にされたことにより、万一損害等が生じた場合に株式会社FUNDINNOは一切の責任を負いませんのでご了承ください。
- また、本記載方法のご案内に関するご質問をお受けすることはできません。確定申告に関するお問い合わせは最寄りの税務署、税理士にお問い合わせください。
- 当ページに記載されている内容は、令和6年12月31日以前の出資に関する確定申告手続きの内容となります。 最新情報については、国税庁HPをご確認ください。
▼エンジェル税制の確定申告の手続き解説動画はこちら