「時代に合う資金調達方法」プロ投資家を惹き付けるグローバルスタートアップがFUNDINNOを選んだ理由
| 企業名 | アトモフ株式会社 |
|---|---|
| 設立年 | 2014年 |
| 代表者 | 姜 京日 |
| 事業内容 | 累計販売台数2.5万台以上(2025年末時点)の世界とつながるバーチャル窓「Atmoph Window」シリーズを開発 |
| 過去の資金調達 | 大手VCや金融系VC、東証プライム上場企業、複数の著名エンジェル投資家が出資 |
| ウェブサイト |
https://atmoph.com/ja (遷移先はFUNDINNO外部サイトです) |
ステージ アーリー
ステージ ミドル
ステージ レイター
ステージ
課題
- VC調達とは異なる新製品開発のタイムリーな資金確保
- ハードウェア製造の波に備える資金基盤の強化
- FUNDINNO活用後に数百名に増え得る株主の対応に不安
成果
- 新株予約権者428名から約1億円調達。追加出資も発生
- 新製品ローンチ。法人需要前期比7倍、世界規模で販売加速
- 週刊東洋経済「すごいベンチャー100 2025年」選出
製造、開発、マーケティングに追われる日々-「最短で資金調達をするにはFUNDINNOがベストだと感じました」
─ 御社の事業内容を教えてください。
姜弊社は、世界とつながるバーチャル窓「Atmoph Window」シリーズを開発しています。室内にいながらも世界を旅する革新的なライフスタイルを提案するものであり、累計販売数2.5万台以上を誇ります。自社で6K撮影した世界各地の風景コンテンツ以外にも、有名IPとのコラボ展開も人気を博しており、この規模のスタートアップには珍しく海外販売比率が4割超を占める日本発のグローバルスタートアップと自負しています。
─ FUNDINNOの活用を検討された背景を教えてください。
姜私たちの製品はハードウェアとコンテンツによって成り立っていますが、製造、コンテンツ制作、マーケティングなど、多くの資金が必要なビジネスであり、これまでも大手VC様や上場企業様、エンジェル投資家様など、さまざまな方から資金調達をしてきました。ただ、どうしてもハードウェアの製造には波や課題があり、簡単にはいきません。ちょうど新製品を作るタイミングでできるだけ早い時期での資金調達が必要になったこともあり、ベストな資金調達手法としてFUNDINNOを検討し始めました。また、過去に購入型クラウドファンディングに取り組んでいたので、その経験からも弊社との親和性があるのではないかと考えた面もあります。
─ 株式投資型クラウドファンディングの中でもFUNDINNOを選んだ理由はどのような点でしょうか?
姜私たちから見て、FUNDINNOはこの領域におけるマーケットリーダーである点が大きいです。資金調達を実施した企業数や投資家ユーザー数が多いことに加え、サポート体制の充実を感じました。
「株主の増加が不安」を変えた2つの仕組みと1つの発想
─ 当時、FUNDINNOに対して、率直にどのような不安や懸念がありましたか?
姜一番は、株主の数がかなり増えるということです。従来の株主数は数十名程度でしたが、過去のプロジェクトを見ると一気に数百名単位で増えている事例が多いと思います。株主になっていただくからには当然しっかりとしないといけないので、調達後の株主の方々とのコミュニケーション等が問題ないか、率直に不安がありました。
─ 株主増加の不安がある中で、最終的に「FUNDINNOで資金調達をする」と決断された決め手は何でしょうか?
姜担当の方から、募集の形式は普通株式だけではなく「FUNDINNO型新株予約権」も可能と伺い、ストックオプションに近い仕組みと理解しました。このスキームであれば、将来的に株主になっていただくのであって、現時点でただちに株主が増えるわけではないので、私たちが今しなければならない事業によりフォーカスができるのではないかと考えました。また当時、既存の株主管理に「MUFG FUNDOOR」を活用していたことも大きな要因です。株主や新株予約権者の管理を効率化できることに大きな価値を感じており、FUNDINNOとしても資金調達を支援して終わりではなく、その後の会社運営のサポートも重視していることが分かっていたので、安心できました。
─ 姜様や経営陣の皆様のご判断に、株主の方々はどのような反応を示されましたか?
姜我々の製品は世界各地にユーザーがいますが、ユーザー数が多いということは、コミュニケーションが増えて経営に集中できないというデメリットや、何らかのリスクがあるかもしれません。同様に、やはりFUNDINNOは株主や新株予約権者が増える新しい資金調達手法ということもあり、「よく分からない」という印象が強かったのではないでしょうか。ただ、ユーザーが増えることは応援者が増えるということであり、実際に私たちも多くの応援をいただきながら成長を実現してきました。新株予約権者という形で、“バランスシート”に応援者が増えることはとても有り難いことであり、新しいチャレンジだと思ったときに、役員陣の中でとても腹落ちしました。最終的には役員で判断し、これまで応援していただいてきた株主の方々も意思決定を尊重してくれたので、FUNDINNOを活用する運びとなりました。
「はじめて外部の方に情報を纏めていただき、感動しました」
─ プロジェクトの準備工程を振り返ると、どのような点が特に印象的でしたか?
姜これまでピッチ資料は社内で作っていたのですが、初めてFUNDINNOという外部の方に作っていただくことになりました。一言で言うと、感動したことを覚えています。私たちが纏められていなかった視点に気付かせてもらったり、投資家様に伝えるべき情報を知ることができました。FUNDINNOからのインタビュー等を経てゼロから出来上がっていくページを見て、社内中が感動していましたね。
─ 反対に、苦労したのはどのような点になりますか?
姜例えば、既存株主様などにプロジェクトページへの掲載について確認したり、応援コメントを依頼して収集する部分など、必要な情報を短期間で揃えていくところは苦労しました。一方で、FUNDINNOとのコミュニケーションはSlackを用いてタイムリーにさせていただいたので、何か悩んだことや困ったことがあればいつでも聞くことができ、素早く丁寧なサポートを得られた点はとても助かりました。
「1日経たずに約1億円集まるとは想定外」の熱狂が組織の士気を高める-法人需要前期比7倍、「すごいベンチャー100 2025」選出へ
─ 募集開始後、約5時間で下限の5,499万円、約23時間で上限の9,999万円に到達されました。
姜9,999万円に達するとは全く想定していなかったので驚きました。周りの方からも支援いただいたり、「出資したよ」という声があったりして、嬉しかったですね。誰もが知る企業、というわけでもないのに「こんなに多くの方が応援してくれるんだ」ということに感動しましたし、力になりました。
─ 既存の株主様からはどのような反応をいただきましたか?
姜株主の皆様からも安心と共に、喜びの声を多数いただきました。「Atmoph Window」シリーズが、VCのようなプロ投資家だけではなく、一般の方々からも高い評価を受けているということが初めて可視化されたのかなと思います。どんどんお金が集まっていき1日経たずに約1億円に到達。会議室で話すような売上や販売台数などの経営数値以上に、株主の皆様に安心していただける結果を示すことができたと考えています。
─ FUNDINNOで資金調達を実施してからの約1年間について、どのような事業進捗がありましたか?
姜1番大きな進捗は新製品の「Atmoph Window Yo」という第3世代のバーチャル窓を世に出せたことです。また、去年と比べて法人の問い合わせが約7倍に伸びており、導入数も大きく増えてきています。その他、人気ゲーム「スイカゲーム」とのコラボ実現や、グッドデザイン賞の受賞、万博への出展で認知度向上、売上につながるなど、事業は大きく前進しています。「すごいベンチャー100 2025年版」にも選出していただきました。おかげさまで多くの進捗が生まれており、ご出資いただいた新株予約権者の皆様には感謝しかありません。
「新株予約権者」であり「顧客」。個人投資家様からの追加出資も
─ 前回の募集後、428名が新株予約権者となりました。出資された皆様とは、どのような関係性を築かれていますか?
姜温かい応援をいただいていると感じます。元々「Atmoph Window」をご存知でなかった方も多いと思いますが、ご出資後に製品を購入していただいている方が多いことにも驚きました。SNSで「出資して応援してる」という声を見かけたり、FUNDOORでの月次レポートへの反応も感じながら、上場後を想定してIRへの意識を高めさせてもらっています。極めつけは、FUNDINNOを通じて新株予約権者になった個人投資家様が、さらに別で追加出資してくださった事例があったことです。本当に有り難く、いつも支えていただいています。
─ 非常に理想的なFUNDINNOの活用方法だと思います。反対に、何かネガティブな点はありませんか?
姜ネガティブな話ではないのですが、良い意味でプレッシャーはあります。やはりこれからも応援と共に「アトモフに投資して良かった」と思っていただけるように成長を続けていく必要があると感じています。IRについても、発信内容がシンプルすぎないか、もう少しリアルで細かい情報も発信した方がもっと応援してもらえるのではないか、というような意識を持っています。
「FUNDINNOは時代に合った資金調達方法だと思います」
─ 最近では「時価総額100億円の壁」が話題となるほか、スタートアップ資金調達環境が悪化しているという声もあります。このような中でFUNDINNOの存在意義についてどのようにお感じになられているでしょうか?
姜私たちは創業時から「世界的な会社になりたい。そのために上場したい」という想いを一貫して持ち続けています。FUNDINNOは、上場前にその体験ができる練習の場だと感じています。多くの株主様や新株予約権者という潜在的な株主の皆様にご支援いただくことで、色々な方の反応やフィーリングを感じることができる点は大きな特徴だと思います。そして、これは私自身の考えですが、時代は常に「マス」「パブリック」「大衆」の方に動いていると思うので、より多くの方々を未上場の早い時期から巻き込むというこの資金調達方法は「時代に合っている」と思います。
─ 最後に、FUNDINNOを検討している企業様、これから検討される企業様へ、メッセージをいただけますでしょうか?
姜私たちは新しいことは色々やってみたいタイプのスタートアップなので、海外の購入型クラウドファンディングしかり、株式投資型クラウドファンディングもやって良かったと、心から思います。応援者が増えたということと、責任がプラスされることは、これからの予行演習になると話しましたが、以前の私たち同様に、迷っているファウンダーの皆さんの気持ちはとても分かります。それでも、迷うなら飛び込むべきであり、私としてはオススメできる資金調達の方法です。
FUNDINNO 編集後記
プロダクト愛を、経営資産に。「上場を意識するからこそ」のFUNDINNOの活用意義
アトモフ様は、バーチャル窓というユニークなプロダクトへの「熱狂的な期待値」を証明し、未来の経営資産を築く「戦略的なツール」としてFUNDINNOを活用されました。
姜様のインタビューで特に印象的だったのは、画一的な評価軸やスプレッドシート等で管理するような経営数値だけでは感じられない「プロダクト愛」「自社への期待」という無形の資産を可視化することができた、という言葉です。FUNDINNOは、この「愛着」や「期待」という熱量を、わずか23時間で約1億円調達、428名の”ファン新株予約権者”という具体的な数字に変換しました。
姜様が語られた、株主増加への不安を「新株予約権」という仕組みで解消し、FUNDINNOを「上場に向けた練習の場」と捉える戦略的な姿勢は、これから大規模な成長を目指すスタートアップにとって、非常に重要な示唆に富んでいます。
資金調達に悩む企業にとって、自社の持つ「熱狂的なファン」という資産を、どのように資金と組織の力に変えていくか、そのヒントがアトモフ様の事例に詰まっています。「迷うなら飛び込むべき」という姜代表の力強いメッセージが、FUNDINNOの戦略的価値を象徴しているように感じます。