「命を救う事業には“多くの株主”が必要なんです」

「命を救う事業」だから求めた資金調達効果の最大化。296名の共感を資金に変え、VC調達も呼び込んだファイナンス戦略

企業名 株式会社Zene
設立年 2020年
代表者 井上 昌洋
事業内容 健康保険組合や一般事業者向けのゲノム解析サービス「Zene360」、ゲノムデータ解析プラットフォームの提供
過去の資金調達 複数の大手VC、上場企業と金融系VCの共同運営ファンドが出資
ウェブサイト https://www.zene.co.jp/
(遷移先はFUNDINNO外部サイトです)
シード
ステージ
アーリー
ステージ
ミドル
ステージ
レイター
ステージ
利用前の
課題
  • 開発営業部隊を早期に作るための資金調達が急務
  • 最もコストが掛からず効率の高い資金調達方法を模索
  • 株式投資型クラファン活用事例が身近になく、集まるか不安
利用後の
成果
  • 東京都助成金を活用。低コスト・短期間で6,980万円を調達
  • 財務基盤が安定したことでVC調達にも成功
  • コスト意識を全社で再認識。経営改善の契機に

「結果的にVC調達よりも良い選択肢だった」ー最もコストの低い資金調達手法としてFUNDINNOを活用

─ 御社の事業内容を教えてください。

井上弊社は、国内最大級のデータベースを持つ高精度遺伝子検査サービス「Zene360」を提供しています。サービスの利用者様は、唾液を郵送するだけで、生活習慣病やがんなど10疾患の生涯発症リスクが解析され、個人に最適化された予防対策を受け取ることができます。健康保険組合・健診センターに向けて特化したBtoBモデルを取っており、国内全健保の約18%にわたる約250法人と契約を締結。累計検査人数は2.3万人以上となっています。直近では東証プライム上場企業との協業により、蓄積した遺伝子データとレセプト・健診情報を統合したデータ活用事業の展開を開始しました。遺伝子検査とデータ活用の2軸で、個別化医療の社会実装を推進しています。

遺伝子検査サービスZene360の概要

─ FUNDINNOを活用された当時、どのような課題を抱かれていましたか?

井上開発営業部隊をしっかり作っていくことが重要な要素でしたので、そこの資金を集めるというのが重要なテーマでした。資金調達においては、幾つかの選択肢がありました。私たちの中では資金調達に要するコストの部分を最も気にしており、最もリーズナブルな選択肢は何かを比較検討していました。

─ 幾つかの選択肢の中で、最終的にFUNDINNOの活用を決めたポイントを教えてください。

井上2つあります。1つ目は、やはりコストが小さい、つまり効率の良い資金調達手法だったということです。FUNDINNOへの手数料に対しても、東京都の助成金を活用することができたので、結果的にVC調達よりも良い選択肢だったと思います。2つ目は、やはり最も多く資金が集められるか、最も多くの方々にリーチできるか、という点です。FUNDINNOは業界で最も実績があるプラットフォームと理解していたので、安心して依頼することができました。

株式会社Zene 代表取締役

─ 株式投資型クラウドファンディングの利用にあたって、何か不安な点はありましたか?

井上やはり集まる金額が読めない点は不安でした。周りでFUNDINNOを活用した企業もあまりいなかったこともあり、集まらなかったらどうしようかと心配でしたが、既存株主様から「使った方が良いよ」と言っていただけたこともあり、最終的には前向きに検討できました。

「事業計画をシビアに見ていただけたことでコスト意識が一層強くなり、経営に活きています」

─ FUNDINNOを活用される中で、何かお気付きになったことや価値があると感じた点があれば教えてください。

井上事業計画の作成について、とても勉強になることが多かったです。これまでの資金調達では、正直あまりどこを見られているのか理解し切れないこともありました。FUNDINNOでは、スタートアップのファイナンスに明るい公認会計士の方が事業計画作成をサポートしてくださりました。投資家様はどのような点を見ているのか、非常に明確になり、例えば売上総利益・営業利益などに対してもシビアに確認していただけたので、コスト意識がより一層強くなりました。資金調達を終えた今でもそのような意識を持つことができており、経営に活きる勉強をさせていただきました

事業計画作成のサポートの様子

─ 最終的に296名の方から6,980万円を調達されました。この結果について、どのような印象を受けましたか?

井上正直、これほど多くは調達できると思っていなかったので、驚いたというのが大きいです。良い意味で、少しプレッシャーを感じる結果になりました。既存株主様からも「やって良かったね」という反応をいただきました。また、募集の際に作成していただいたプロジェクトページは弊社のことを非常に分かりやすく、端的に説明する資料になっており、今後も使えるなと思っています。

─ FUNDINNOでの資金調達を踏まえて、何か資金面以外にポジティブな影響は出ていますか?

井上事業計画の作成を踏まえてコストへの意識が高まりましたが、また別の観点からコスト意識が高まることになりました。それは、どこかVC様や事業会社様よりも身近に感じる296名もの方々1人1人から、大切なお金をお預かりしたということです。このことは経営陣においても常に意識するようになり、無駄にコストを掛けないということやコストバランスを、これまでよりも一層丁寧に考えるようになりました。

株式会社Zene 代表取締役

FUNDINNO実施後にVC調達に成功。さらに複数の問い合わせも-「安定した財務基盤が評価されました」

─ FUNDINNOで資金を調達してから今日に至るまでの事業の進捗を教えてください。

井上遺伝子検査を巡っては国の方でも非常に面白い動きになってきていますし、弊社の事業としても、新しい領域への進出が可能になるかもしれない、良い結果が出てきています。遺伝子検査を受けたことでガンが見つかったという事例が、1個や2個ではなく多数出てきています。人の命を救えるところまで、私たちのサービスは進化してきていると考えています。非常に多くの方々から支持を得られるようになっており、出資してくださった株主様には大変有り難いと感謝しています。

─ 資金調達に成功されたニュースも拝見しています。

井上FUNDINNOを活用した後に、VC様からご出資をいただきました。このVC様の場合は以前からお話をいただいていましたが、FUNDINNOを活用し、約7,000万円もの資金を調達できたことで財務基盤がしっかりしたこともあり、「投資します」と言っていただけました。実は他にも、FUNDINNOでの募集を機に複数のVC様から問い合わせをいただき、資金調達に留まらない効果を実感できました。

遺伝子検査による病気の早期発見事例

「共感してくれる方を探したいスタートアップはFUNDINNOにマッチすると思います」

─ 将来のIPOを見据え、多くの個人株主様がいらっしゃることについてどのようにお考えですか?

井上東証グロース市場での上場維持基準では「株主数150人以上」と掲げられています。そこに向けて事前に準備ができていると思いますし、今後弊社がより大きな企業になった際には、ガバナンス体制やコンプライアンスを整備していく必要があります。FUNDINNOを通じて予行演習ができており、プラスに捉えています。また、FUNDINNOで株主になられた方々の多くの方に株主優待をご利用いただきました。ファンになっていただく上では重要な取り組みだと思っており、296名の方々がもしかしたら口コミなどでZeneのことを広めてくださるかもしれません。そうなれば、とても嬉しいです。

株主優待の遺伝子検査キット

─ 最後に、FUNDINNOを検討している企業様へ、メッセージをいただけますでしょうか?

井上FUNDINNOでの資金調達は、VC様や事業会社様からの調達とは全然異なると思います。「共感」を集められるか、が重要ではないでしょうか。夢がある技術や、例えば「人の命を救う」事業など、分かりやすくて共感性の高いテーマはマッチすると考えています。私たちの事業もやはり人の命を救えることだと思っており、共感してくださる方を探すことが重要です。遺伝子検査が5年後10年後にあって当たり前、という世界を作る気でおり、株主になってくださった方々が、少しでも「未来の当たり前に対して貢献した」と思っていただけるよう、頑張っていきたいと思います。ぜひ、共感してくれる方を探したいスタートアップは、FUNDINNOに一度相談されてはいかがでしょうか。

株式会社Zene

FUNDINNO 編集後記

【戦略的選択】「資金調達の効率性」と「共感の資金化」を実現する株式投資型クラウドファンディングの価値

Zene様の事例の特徴は、資金調達の「コストパフォーマンス」を追求する、極めて合理的な経営判断にあります。

スタートアップにとって「1日でも早く」「1円でも安く」の価値は高く、井上様は選択肢を冷静に比較検討し、FUNDINNOを活用。東京都の助成金も組み合わせ、結果的にVCによる資金調達よりも低コストで効率の良い資金調達を実現されました。

さらに、FUNDINNOでの成功が財務基盤の安定性という形でVC様からの信用に直結して追加調達に成功された点や、「身近に感じる」296名から大切なお金を預かったという事実が井上様や経営陣の皆さまにこれまで以上の「コスト意識」をもたらした点も重要であると考えられます。

インタビューの中で、井上様は何度も「命を救う事業」「ファン株主が大切」とお話されていました。Zene様の事例は、資金面以外にも経営上重要な価値や資産を提供できるプラットフォームとしてのFUNDINNOの活用意義が示唆されていると考えます。

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